当時お客さんだった彼「誠実さに惹かれ自分から惚れて」

── 旦那さんとの出会いは、お客さんとしてなのですね。そこからどのようにつき合うようになったのでしょうか。

 

晴天さん:最初は異性として意識していなかったのですが、自分のお客さんになってもらいたくて連絡先交換をしたんです。そうしたら、すごく誠実な人だということがわかり、私のほうが先に彼を好きになってちゃって。

 

── 旦那さんの人間性にひかれたのですね。

 

晴天さん:そうなんです。夫は韓国人なのですが、当時から日本で暮らしていて。子どもが欲しかったこともあり、国際結婚してきちんと籍を入れることにしました。最初は「国際結婚ってなんかカッコいい!」ってワクワクしていましたが、制度上のことや届出の煩雑さで苦労しましたね。独身証明書と婚姻届を日本と韓国の両方で提出しなければならなかったので、すべての内容をそれぞれ翻訳する必要があって。日本語ができる夫が対応してくれたのですが、かなり大変だったと思います。

 

本日は晴天なり
夫の故郷・韓国へ子ども連れで帰省したときの1枚

── 言語や文化のギャップを感じることはありますか?

 

晴天さん:それより、ジェネレーションギャップのほうがあるかもしれません。夫は●年前から日本に住んでいて日本の文化にかなり詳しいのですが、6歳下なので、たとえば40代の私の青春時代の憧れだった小室ファミリーとか、まったく知らないんですよ。そのいっぽうで、彼は日本のアニメが大好きで、勉強熱心なので、日本語がとても上手なんです。

 

でも、やっぱり日本語って難しいですね。たとえば、昼間に観た映画について話していて「あのシーン、時間が時間なら泣いてたよ」って言ったら、「『時間が時間なら』ってどういう意味?」と聞かれて。思わず、なんて説明すればいいんだ?って自分でも混乱してしまいました。こんな調子で、何げなく使うけれど説明が難しい言葉について説明を求められて困惑することはよくあります。

 

──  そんな会話ができること自体すごいと思いますが、たしかに日本語は難しいですよね。いっぽうで、晴天さんは旦那さんの国の文化に興味はあったのでしょうか?

 

晴天さん:私はK-POPや韓流ドラマにそこまでハマっていなくて、人並みの知識でした。でも夫を通じて韓国の文化に興味を持つようになりましたね。

 

韓国では、お母さんをすごく大事にするんです。うちの夫はマザコンではないけれど、2、3日に1回は家に電話しています。ときどき孫の顔を見せに会いに行きますよ。でも、義理の母に流暢な韓国語で話しかけられると、何を言っているのか全然わからないこともたくさんあって…。最初はヒヤヒヤしていましたが、「わからないからまあいいや」って開き直ったら、緊張しなくなりました。それに夫がお互いの通訳をしてくれるので助かっています。ただ、会話量が多いと彼も訳がわからなくなっちゃうみたいで(笑)。最近は、きちんと伝えたいことだけを選んで話すようにしています。

 

 

初婚の失敗を乗り越え、当時働いていたキャバクラのお客さんと国際結婚を果たした晴天さん。子宮外妊娠での手術を経験したのち不妊治療を始めましたが、流産を繰り返し、深く落ちこんだことも。それでも3回目のチャレンジが成功し、41歳で無事出産。現在は1児のママとして育児に奮闘中です。「世の中のお母さんには尊敬しかない!」と明るく語ってくれました。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/本日は晴天なり