留学費用に年間1000万円をかけるなど、子どもの教育には惜しみない投資をしてきたハイヒール・モモコさん。反面、おこづかいはいっさい渡さない、死んだ後もお金は残さないと、お金の重みを実感できるような子育てを続けてきました。(全4回中の3回)

娘は私が母だとはいっさい言わなかったけど

ハイヒール・モモコ
60代になって子どもの高校の弁当作りがようやく終わったと語るモモコさん

── 芸能活動のかたわら、32年間の結婚生活で3人のお子さんを育ててきたハイヒール・モモコさん。同じように育てたつもりでも、お子さんたちは性格や考え方がまったく違ったそうですね。

 

モモコさん:本当に三者三様ですね。たとえば、子どもたちを連れてラスベガスに行ったときのことです。みんなに「思い出を作りなさい」っておこづかいを渡しました。当時、長男が高校生、次男が中学生、娘は小学生。長男は欲しかったヘッドフォンをみつけたのに「もし壊れたらアフターサービスを受けられないから」とためらうんです。「せっかくの思い出作りやねんから、何か買えば?」って言ったら、スノーボードのミニチュア版を選びました。でも今度は「これ、2.7キロもあるから荷物が重量オーバーにならへん?」とまた心配してくる。先のことまで考えて慎重に行動するタイプなんです。

 

それに対して次男は、街で現地の人と一緒に写真撮り、おこづかいをチップとして渡して「これが俺の思い出や!」って。翌日「思い出に買うものをなにか買いなさい」と言ったら「絶叫マシンに乗ってきた。心の思い出になるから」って満足そうにしてましたね。

 

── モノではなく、経験にお金を使う。ユニークな発想ですね。

 

モモコさん:長男は生まれたときから手がかからず、おとなしかったのですが、次男はもう、じっとしてない。キャラクターが全然違うんです。でも周りからは「長男はドラえもんにでてくる出来杉くんみたいだけど、イマドキの子としては次男が普通だよ」って言われました。

 

いちばん下の娘が選んだのは、レインボー柄がついたアメリカっぽいかわいい白のスニーカーでした。でも「これは白のスニーカーで普段の生活にも使えるから、家のお金で買って」と交渉してきて。

 

── 小学生ながら、長男さんとは違う意味でしっかりものでいらっしゃる(笑)。

 

モモコさん:娘はすべてにおいてこの調子ですね。振り返ると、それぞれの「らしさ」が、このときにはもう確立されていたなと感じます。

 

── お子さんたちは、お母さんが芸能人であることをどのように感じていたのでしょう?

 

モモコさん: 娘は私が母親だということを隠してました。小学校の間は、一緒にテレビにも出ていたんですけど、中学以降はYouTubeも声だけ。大学の卒業式でも、朝5時から美容院に着つけにつき合って家族で写真館にも行ったのに「ママはあそこの喫茶店で待ってて」と、卒業式の会場に入れてもらえなかったんです。親としては卒業式ぐらい行きたかったんですけど、自分のスタンスを貫いてました。

 

── きっと娘さんにもいろいろな思いがあったんでしょうね。

 

モモコさん:芸能人の子どもじゃなくて、ちゃんと自分として見てほしいとか、人が気をつかったり、態度が変わるのが嫌だとか、いろいろあったんでしょうね。娘は今年の4月から就職したんですけど、就職先も私に知らせなかったくらい。「教えてほしかったらお祝いちょうだい」って言われました(笑)。

 

── 息子さんたちも、娘さんと同じ反応でしたか?

 

モモコさん:まったく違いますね。次男なんか「俺のオカン、モモコやで!」とか「モモコの息子です」ってすぐ言いますから。長男も「関西の人には覚えてもらいやすいから便利」だって。息子たちはYouTubeでも顔出ししていますし、今は結婚していますが、最近は長男のお嫁ちゃんも一緒に動画に出てくれるくらいオープンです。