最後まで一緒に生きていくのは「自分自身」だから

── 小学5年生のころ、不登校の子たちに向けて「学校に行きたい人は行けばいい、行きたくない人は行かなくてもいい。人生は冒険だ。死んだらあかん。命が大事」とずっと発信されてきましたね。実感がこもっているようにも感じます。

 

ゆたぼんさん:自分に自信があるというのかな…。結局、決めるのって自分自身なんですよね。自分を信じるしかないなと思うんです。やっぱり誰かに言われてやるよりも、自分に自信をもってやりたいなって。最後まで一緒に生きていくのも自分だから、いちばんに誰を信じるかっていったら、自分なのかなと思います。

 

僕は小学5年生のときから批判もたくさん受けて、一時期はつらい気持ちにもなりました。でも、あんまり気にしても仕方ないって思うようになって。応援してくれる人も多いから、励ましてくれる人たちのためにも、自分を信じて生きようって思えるようになった気がします。

 

ゆたぼん
昨年秋には弟ができたゆたぼんさん。お兄ちゃんのやさしさが伝わってくる1枚

──「生きてくれ、命が大事」とも発信されていますが、もし学校に行けなくなっている子たちが目の前にいたら、どんな言葉をかけたいですか?親御さんにはどうしてほしいですか?

 

ゆたぼんさん:不登校になっている子には、「不登校だからって自分が悪いって思う必要はない」と言いたいです。自分の人生やし。「不登校だから悪い」とか「不登校だからダメ」とか、そういうわけじゃないから、気にしなくていい。ただ、できれば、部屋から外に出てみて、自分のやりたいことを全力でやって生きてほしいと思います。

 

親御さんには、その子の意思を尊重してあげてほしいです。もし、学校に居場所がない場合、親が子どもの味方になってあげてほしい。僕も、親が自分の気持ちを尊重してくれて、「学校に行きたかったら行けばいいし、行きたくなかったら行かなくてもいい。自分で決めていい」と言ってもらえてすごく気持ちが軽くなったんです。

 

── そんなご両親はゆたぼんさんのYouTubeにもたびたび登場されていますね。以前、ゆたぼんさんが楽しみにしていたアンパンマンアイスをお父さんが食べちゃったときの動画には大笑いしました。

 

ゆたぼんさん:あの動画は自分でもすごくいいのが撮れたなと思いました(笑)。中学3年のときの先生がいい人で、クラスみんなで「ゆたぼんの動画、観たろー」みたいな話になって、教室で観たんです。友だちが教室のテレビをつけて、「YouTube、ゆたぼん、アンパンマンアイス」って検索して。「アンパンマンアイスの中身があんこじゃなくてチョコ」っていうくだりにはみんな大爆笑でしたね(笑)。「よっしゃ!」って思いました。

 

── お父さんが「お前のものは俺のもんや」って開き直るのも笑えました(笑)。あの動画の公開を許してくれるなんて、家族仲がいいんだな、いいお父さんだなと。

 

ゆたぼんさん:本当におもしろかったなあ、あれは。親はふたりとも、めっちゃやさしいんですよね。

 

── これからの目標はありますか?

 

ゆたぼんさん:いまは、英検準2級に合格することです。フィリピン留学から帰国したら受検する予定です。大学進学も見据えて勉強中ですが、まだ進学先とかは考えていなくて、決まっていったらYouTubeにアップするので楽しみにしていてください(笑)。将来の仕事も含めて、これからのゆたぼんの人生を発信していこうと思います。

 

取材・文/高梨真紀 写真提供/ゆたぼん