YouTuberのゆたぼんさんは、小学3年生で学校に行くことに疑問を感じ、自由登校に。中学3年の2学期からは再び学校に行き始め、高校受験を経験しました。希望校に受からず落ち込んだものの、その後高卒認定試験を受けて合格。高2の今は勉強が楽しくて仕方ないそうです。(全2回中の2回)
中3の2学期から登校も「授業に『うえっむずっ!』となって」
── ゆたぼんさんは、小学3年から自由登校になり、中学入学後はしばらく不登校だったそうですね。中学3年の2学期から学校に再び行き始めたとのことですが、当時、勉強で大変に思ったことはありましたか?
ゆたぼんさん:中学3年の2学期から学校に行き始めたころは、授業が難しくて…。「うえっ、何これ?」って思いました。小3からほとんど学校に行ってなかったし、勉強を基礎から教えてくれる人がいなくて独学だったから。まじめに勉強したら国語や社会はある程度わかってきたんですけど、数学は基礎から理解できていないと先に進むのは無理だから、最初はちょっと大変でした。
まずYouTubeで、中学1、2年の基礎からの動画を見ながら、ノートに大事なことを全部写しました。それを自分で何度も見直しながら暗記して、わからないところは親や先生に質問しながら、理解できるところを増やしていきました。そのうち、授業の内容がわかるようになってきて、「あ、意外とイケるかも」と思えるように。不登校のときも自宅で勉強は続けていたから、それはよかったかもしれないですね。
公立高校の受験に不合格も、高卒認定に合格
── 現在、ゆたぼんさんは通信制の高校の2年生。公立高校の受験にも挑戦し、高卒認定も取得されてすごいです。なぜ高校受験に挑戦されたのでしょうか。
ゆたぼんさん:中3の2学期から学校に行き始めた時点では、高校を受験しようとは思っていなかったんです。中学1、2年生のときは1回も学校に行かなかったし、3年で行き始めた当初は、学校で普通に生活することに慣れていく感じでした。でも、みんなと話したり遊んだりしているうちに、「高校ってどういう場所なんだろう」って気になり始めて。「だったら高校を受験しよう」って決めました。そこからはひたすら勉強して、友達と一緒に高校受験に臨みました。

── 自然と高校受験にやる気が出るくらい、いい先生や友達に恵まれたのですね。
ゆたぼんさん:そうなんですよ。高校を受験したあと、みんなで自己採点したら高得点が取れていて自信が持てたんですけど、結局、内申点がたりなくて落ちちゃって。内申点って、出席日数とか学校で受けるテストの採点とかが重要になるじゃないですか。でも、僕は中学3年生の2学期まで不登校だったから、内申点が全然、取れてなかったんですね。
ただ、小学5年生のときに、高卒認定の話を聞いていたんです。高卒認定っていうのは、必修の8〜9科目(※)をクリアすれば、高校を卒業している人と同等以上の学力があると認定される制度のこと。小中高に行っていなくても、高卒認定が取れていたら大学受験の切符が手に入るんです。15歳でも受験する年度の終わりまでに16歳以上になるなら高校に在籍していても受けられると聞いて、挑戦することにしました。
(※)令和8年度(2026年)の試験より、「情報」が必修科目として追加され、合格に必要な科目数が9~10科目に変更となる
中学から高校1年生レベルの基礎的な内容が出題されるんですが、公立高校の受験で落ちたのが本当にショックだったから、「次の高卒認定は、苦手に思っていた英語以外の7科目で絶対に合格する」って宣言して。そうしたら、宣言どおり英語以外の7科目で合格したんですよ。有言実行できて、すごくうれしかったですね。

高卒認定は1回の試験で必要科目全部に合格する必要はないので、英語は時間をかけて勉強しようと思っていたんです。しかも、ちょうど僕の入学時期にあたる2024年4月に開校された通信制の日本航空高等学校には、高卒認定の科目履修制度というのがあって、高校で科目履修の単位を取ればその科目の免除を受けられると聞いていて。それで、昨年春、日本航空高等学校のメタバース工学科に入学しました。1年通ってみてメタバース工学は本当にやりたいこととは違うかもと気づいて、2年生からは普通科に通っています。高卒認定試験が終わって、高校1年生のうちに科目履修で英語の単位を取ったので、無事高卒認定も合格できました。
なぜ高卒認定を取ったのに高校にまだ通っているかというと、高卒認定に合格すれば大学受験は可能になるのですが、学歴は高卒にならないそうなんです。また、高卒認定が取得できたからといって、それが高校を辞める理由にはならないと思うので、今はまだ通い続けようと思っています。