正統派の漫才で人気のコンビ・銀シャリ。ボケ担当の鰻さんは、幅広い年齢層との交流があるそうで、重鎮に対しても自分から「ご飯連れて行ってください」と声をかけるのだとか。うなぎ関連の人脈も広く、いつか叶えたい思いがあるそうです。(全3回中の3回)
若手漫才師から師匠クラスまで、食事を誘うのは自分から
── 後輩から先輩、重鎮まで幅広い層の方々と交流があると伺っています。

鰻さん:人脈は広くないですけれど、つき合う方々の年齢層の幅は広いと思います。芸歴2、3年目の若手漫才師から師匠クラスの方まで。若手たちは、漫才劇場に行けば誰かはいるので、「今から飯行くけど行く?」って声をかけます。ひとりで飯を食ってもいいんですけどね。久々に誰か芸人とご飯に行きたいなっていうときは、特に大阪で泊まりの仕事が入ったら、若手が出演する漫才劇場をのぞくことが多いですね。まだ飯を一緒に食べたことがない若手がいたら、「ちょっと行こうか」って誘うんです。最近は、桂文珍師匠やとんねるずの木梨憲武さんともご飯に行きます。師匠クラスの方々にも、僕から声をかけることが多いですね。「師匠、連れて行ってくださいよ」って。
── あまり物おじしないタイプなんですね。
鰻さん:そうですね。たまたま一緒になった方には「一緒にご飯を食べに行きませんか?」って。「いつ行きはります?」と、具体的に予定を決めるところまで聞きます。
「土足で家に入ってくるけど、部屋までは来ない」
── そこまで詰めちゃうんですね(笑)。でもそれが、人の懐に入るコツなんでしょうか?
鰻さん:桂文珍師匠とお会いしたとき、師匠から言われたたことがあって。セスナに乗せてもらって、神戸空港でご飯を食べたんですけどね。「お前な、土足で家に入ってくるけど、部屋までは来ないな」って。急に部屋に入ったらたぶんブチ切られるんですけど、玄関には平気で土足で入ってくるヤツだと。そんなたとえ話をされたとき、たしかにそうかもって思いました。

── ご自身では意識されていなかったんですか?
鰻さん:意識はしていなかったかも。でも、そう言われたとき「たしかに僕は触れてはいけないところにはギリギリ触れていないな」って思いましたね。「たぶん、この人にこんなことを言ったら、いかんのやろうな」ってことは言わないです。「玄関にすら土足で入られるのは嫌なんだろうな」って思う人には、近寄らない。玄関すら入られることに抵抗を感じる方、いますから。そこは守ります。