2016年に「M-1グランプリ」で優勝し、人気を不動のものにした銀シャリ・鰻さん。高校の同級生でひと目ぼれした奥さんとは26歳でつき合い始めて2015年に結婚、今年で10周年を迎えます。そんな奥さん一筋の鰻さんですが、意外にも結婚生活についての理想はもたない主義なのだそう。その意図とは?(全3回中の2回)
高校時代にひと目ぼれしてから10年、26歳で初めての恋人に
── 今年で結婚10年だそうですね。奥さんと出会った場所は、高校の階段だったとか。

鰻さん:そうなんですよ。高校1年生のときに階段ですれ違った瞬間、僕がひと目ぼれしたんですけど。ほんまにずっと好きで…でも僕シャイだったので、行動を何も起こせなかったんです。会話したことはあったけど、結局そのまま高校を卒業してしまって。勇気を出して、20歳くらいのときに一度告白したんですけど、突然だったから案の定フラれて。それで、一度はあきらめたんですよ。
ただ、同級生から彼女の情報がちらほら入ってきて。今は関東に住んでいて彼氏を同棲してるらしいと聞き、やっぱりあきらめよう…ってなったことも。それが、26歳のときに共通の友人の結婚式に呼ばれて出席したら、そこに妻がいたんですよ。思いきって話しかけたら、「彼氏と別れてこっちに戻ってきた」と言うじゃないですか。当時、すでに携帯電話から電話番号も消してしまっていたんですけど、共通の男友達からこっそり番号を聞いて、久しぶりに連絡しました。そこから3か月間、僕から毎日メールしたんです。
── 3か月間、毎日メールをするとは、なかなか積極的ですね。
鰻さん:そうですね、僕にしては。メールの内容はなんてことない話なんですけど。「何の本読んでんの?」とか、「1回ご飯食べに行こう」とか。ところが、3か月後に妻の東京への転勤が決まり、「これは告白しとかなあかん!」ってなって。
意を決して告白したら「これから東京と大阪の遠距離になるけど、それでもいいなら」という返事で。それでもいいからと、26歳で初めてつき合うことになりました。僕にとっては初めての恋人でした。それまで好きな子はいたんですけど、今思えば、妻と似たタイプの人を好きになっていたような気がします。

── 奥さん一筋だったんですね。鰻さんの想いが実ってよかったです。
鰻さん:そうなんですけどね。26歳で初めて彼女ができて、つき合えるとなっても遠距離恋愛で、もう何をどうしたらいいかわからなくて。何かプレゼントを送ったほうがいいんかなって思って、妻には伝えずにしりとり形式のプレゼントを勝手に贈り始めたんですよ。まずは「合鍵」から始めて、コンビ名の「銀シャリ」、「リンゴ」、「ゴディバ(のチョコレート)」…みたいな。で、「バッジ」「自由席のチケット」「東京から大阪間のチケット」ときて。最終的には「婚姻届け」「結婚」って締めたかったんです、僕は。でも、途中でバレて。
── しりとり形式の計画が奥さんにバレてしまった?
鰻さん:実を言うと、大阪の劇場のラジオでちょっとしゃべっちゃったんですよ。そうしたら妻の友達が聞いてたみたいで、本人に伝わってしまった(笑)。もうね、僕がしりとりプレゼントを渡そうとすると、「こ」のときに妻が、ソワソワしてて(苦笑)。「あれ?もしかして知ってんのか?」って思って、「婚姻届け」の予定だったのを1回、「昆布」で飛ばしたんです。そうしたら、「なんで昆布なん?」って聞いてきて。「なんで昆布なんって…これは絶対知ってるやん」ってなって、結局やめました(笑)。