出産中の疲労で医師のジョークを返せず後悔

なるみ
待望の赤ちゃんと

── そして待望の男の子を出産されました。安産だったそうですね?

 

なるみさん:昼過ぎに出血して病院に行ったら「入院しましょう」と言われたので、急いで荷物を取りに帰って夕方に入院。その際に「明日の昼の12時くらいかなぁ」言われたので「まだまだだ」と思っていたら、その日の夜中24時ごろにお腹が痛くなり、気づいたら既に5分おきの痛みに。慌てて夫へ連絡。そのまま出産しました。陣痛から7時間で生まれました。安産でした。

 

── 5分おきとは!陣痛はもはや佳境でしたね。間に合ってよかったです。

 

なるみさん:ほんとに。あまりにも痛いから途中で和痛の注射を打ってもらったんですけど、先生が「自然の陣痛の痛みと、注射で痛みがなくなったのと両方経験できたな」って。「陣痛が、あるとき~!(泣)と、ないとき~(喜)やな」って言いはって(※関西地方でおなじみの、なるみさんが務める「551蓬莱」の豚まんのCMのセリフ)。先生が笑かしてくるんですよ。「泣」と「喜」が「551蓬莱」のCMと逆なんですけどね。こっちはめっちゃ疲れてるから「え?」って。関西の先生やなぁ~と思いました(笑)。

 

── 芸人さんならではの出産でしたね(笑)。出産されて、吉本の芸人仲間のみなさんは祝福ムードだったのではないでしょうか?

 

なるみさん:子どもが生まれて劇場に連れて行ったら、私が赤ちゃん連れている様子が想像できなかったみたいで、「ホンマか!?」と先輩方には口々に言われました。私が吉本に入ったのは16歳だったから、「あの子が親になるとは!」と思ったんでしょうね。

 

中川家の剛は、私に「ベビーカーの押し方がなってない!」と押し方を教えてくれたり。先輩方からは「これ見ながらお酒何杯も飲めるわ」と言われたり。月亭八方師匠は「ええなぁ。君はこれから80年生きれるからうらやましいなぁ」と赤子に言うてました。みんな感じ方がいろいろでしたね(笑)。

 

 

現在小学4年生の息子さんの子育て真っ最中のなるみさん。更年期にきた息子のプチ反抗期に奮闘する日々を過ごしつつも、子どものおかげで経験できることに幸せを感じているそう。リュックを背負って電動自転車を乗り回し、50歳を過ぎてプールのスライダーにもつき合うなど、ヒールやネイル、アクセサリーを身につけていたかつての自分には想像できないことばかりの日常を過ごしています。

取材・文/加藤文惠 写真提供/なるみ