タレントとして活躍するなるみさんが妊活をスタートしたのは39歳のとき。28歳で10歳年上のカメラマンの男性と結婚して14年、何度目かの体外受精を経て43歳で妊娠。身をもって体験した3年にわたる過酷な不妊治療の日々についてお話を伺いました。(全3回中の2回)
「生理があるから妊娠できるだろう」は過信だった

── 10歳年上の旦那さんと結婚され、妊活を経て43歳で妊娠されました。当時の経緯を教えてください。
なるみさん:妊活を始めたのは39歳のとき。それまでは、生理があるんだからいつでも妊娠できると思っていたんです。ある方の結婚式で先輩のハイヒール・モモコさんとお話しする機会があって、「子どもを考えている」という話になったら「なるみ、1日でも早く、もう1分1秒でも早く病院に行ったほうがいいよ」と言われて。たまたま次の日がオフだったので、すぐ病院に行ったんです。そしたら先生が「この年齢になると、すぐにできるわけじゃない」と。「子どもを授かるのは奇跡なんだから」と言われました。そこから夫と真剣に妊活を始めました。結局、妊娠するまでに3年かかりました。さまざまな治療の段階を踏み、顕微授精までいきました。
── ハイヒール・モモコさんに言われて病院へ行くまではご自身が妊娠しにくいことには気づいてなかったんですね?
なるみさん:そうなんです。生理が来ているので年齢で難しいという感覚がなくて。ただ
生理不順があったので、すぐにできないのかなとは思っていました。とはいえ、その気になったときには妊娠できると思っていたんです。そもそも中学生のころに過激なダイエットをしたせいで生理不順になっていて、生理不順に慣れていたというか、それがリアルに大きな問題だと思っていませんでした。「不順でも、生理があればいつかは妊娠するんやろうな」って。昔は妊活も今みたいに表立ってする人いなかったから、身近なところで不妊の話を聞いたこともなくて知識もなく…。
のちに不妊治療を世間に公表してからは男性からも声をかけられることが増えました。奥さんだけが妊活する方が多いですけど、男性が原因というのもあるので。男女ともにみなさん悩んでいるんだなって、身をもって知りました。うちがよかったのは、最初から不妊治療を夫と同時に始められたところですね。
── なるみさんは不妊治療していることはいつ公表されたのですか?
なるみさん:治療を終えたあとです。治療中は世間には公表していませんでしたが、家族や身近な人、職場の人には排卵誘発剤のスケジュール調整があるので伝えていました。というのも、長期の仕事ができないんですよね。計算された日に排卵を誘発させる注射を打ち、針で採卵し受精させるという慎重な治療かつ、タイミングが重要な治療なので、仕事をずらせないんです。
そういうこと、普通は知りませんよね。学校の授業では「避妊」のことは教えてもらっても、みんな「不妊」のことは学びませんから。妊活したらすぐ子どもができると思っている人も多いと思います。男女とも、妊活についての知識をもっと早い時期からもてたらいいのになと思います。不妊治療は終わりがないし、全員が妊娠するかもわからない。知識があれば「早めに子どもを検討しよう」とか、「私は妊娠は望まない」とかって判断にもなるでしょうし。私も実際に経験した身として、不妊について、もっと世の中に伝えたいと思っています。