高齢出産はいい意味で気持ちに余裕があるかも…

なるみ
息子とUSJへ

── 10歳年上の旦那さんの定年も近づいてきているかと思います。何かおふたりで将来について話していることなどありますか?

 

なるみさん:老後育児についてはよく話しますね。私は43歳で子どもを産んだので、そのとき夫は54歳でした。ベビーがきてくれたのは神さまが選んでくれた奇跡ですから、体力は落ちてるけど、子どものおかげで気持ちは若いです。40代からママ友ができたり、夫は50代から息子のパパと周りから呼ばれる生活になって。子どものおかげで出会う人が増え、つき合う人たちがガラリと変わったことをふたりとも楽しんでます。この年で違う世代のママや子どもとしゃべる暮らし方になり、定年しても子育てが終わってないぶん、刺激が多いですよ!

 

たとえば、ユニバーサルスタジオジャパンのホラーナイトにママ友と子どもたちと行ったときのこと。みんなは大丈夫なんですけど、私だけめっちゃ疲れるんですよ。足は棒になって、くたくたで帰宅したから家の扉で足挟んでケガするみたいな。でも、ママ友がいなかったらこの年齢でホラーナイト行かないでしょ?50代の女が集まって「ホラーナイト行こう!」ってなりませんもん(笑)。そこを、子どもだけじゃなく「ママも一緒に行かない?」って誘ってくれるから、本当にありがたい。子どものおかげでできた経験です。

 

── たしかに体力では追いつかないところもあるかもしれません。高齢出産だからこそ、子育てもおおらかにできるところなどもありそうですね?

 

なるみさん:それが、ぜんぜん(笑)。むしろ若いママに相談にのってもらってます。10歳くらい年下のママが多いんですけど、中学生になる上のお子さんがいるとか、子育ての先輩ママはたくさんいますから。でも、「同世代じゃないからいろいろ素直に聞けるのかも?」とも思います。同世代だったら「何を買ってるの?」とか、「何を習わせてるの?」とか、いろいろ比べてしまったり、気にしてしまったりして聞きにくかったかもしれないですね。高齢はいい意味で気持ちに余裕があるのかも。なので、公園でも若いママ友に甘えて「座って見てる~」って言っちゃってます。

 

 

43歳で長男を出産したなるみさんですが、39歳から3年間にわたって行った不妊治療は過酷で心身ともにつらいものだったそうです。「学校で避妊のことは学んでも不妊のことは教わらない」。もっと早くから知識があればと当時は悔やんだそうです。

取材・文/加藤文惠 写真提供/なるみ