命の尊さを伝えるため息子も立ち会い出産に

── 妊娠中の生活はいかがでしたか?
舟山さん:2人目のときは安定期に入るまで、とにかくつわりがひどくて…。仕事のときは気合いで起きていたのですが、それ以外はずっとベッドにいるような生活でした。長男はそれまでは私にベッタリだったので、なかなか甘えられないさみしさから落ち着いていたイヤイヤ期が復活。長男に大泣きされて、私も「ママだってつらくて嫌だよー」といっしょに大泣きしたこともありました。
── それでも今は立派なお兄ちゃんになっていますか?
舟山さん:すごくいいお兄ちゃんです。というのも、実は夫だけなく長男にも2人目のときに立ち会い出産をしてもらいました。以前に家族に見守られながら自宅で水中分娩をした方の動画をYouTubeで見たことがあって、その動画で「子どもも命の大切さを学ぶことができ、赤ちゃん返りもしなかった」とおっしゃっていたのが記憶に残っていて。ずっと出産を母親だけが担うのはどうなのだろうという違和感があったので、親子で立ち会い出産できる病院がないか探して、そちらで産むことにしました。
── 息子さんの反応はどうでしたか?
舟山さん:事前に赤ちゃんが産まれることなどは説明したうえで、出産時は私の顔が見える場所にいてもらいました。私は必死で記憶にないのですが、後から動画を見てみると、長男が一緒にいきんでくれたり、手を握ってくれたり、無事に産まれるように私にパワーを送ってくれたりしていたようです。産まれたときには「赤ちゃんが出てきたー!」と喜んでいましたね。
そのおかげか、赤ちゃんが私のお腹の中で育ったことも理解していて、「もうすぐでお話するね」「次は脚で立つね」など、生まれてからも命がどう育っていくのか、しっかり学んでいるように感じます。息子はこのような感じで怖がることもなかったのですが、心配だったのはむしろ夫で…(苦笑)。
── 旦那さんですか?
舟山さん:夫は本当に血が苦手で、長男の出産のときも血が怖くて過呼吸気味になっていたんですよ。2人目のときは先生たちがかなりフォローしてくださって、事前に状況をしっかり説明してくれたので、ある程度のシミュレーションはできていて大丈夫だったようです。
── お仕事と子育ての両立はいかがですか?
舟山さん:わかってはいましたが大変で、毎日が「選択」と「決定」の連続ですね。家でやることも仕事と同じようにタスクとして週の始めに書き出して、空いているところにパズルのように当てはめていきます。自分でできないことは夫や母にお願いしてやってもらっています。
夫は家事や育児をうまくできるほうではありませんでしたが、伝え続けることで今では戦力に。長男の育児に関しては、私は母親目線で息子を正解に導きがちなのですが、夫は「そうだよね。わかるよ」と共感したうえで話し合いのもと結論を導いていくのが上手です。たしかに親にコントロールされて物事を決めさせられるのは、子どもだって嫌ですよね。
夫は映画などで理想の家族像などを見つけると、近づくためにはどうしたらいいのか、よく一緒に話し合っています。
取材・文/酒井明子 写真提供/舟山久美子