「歳をとるって結構、おもしろいよ」と

2025年4月5日に開催された冥土喫茶の様子

── お客さんだけではなく、働く側にとっても居場所になっているような?

 

デコちゃん:すごくあると思います。私は67歳になりますが、65歳以上の働き手にとっての居場所にもなっていますね。

 

ココちゃん:私は66歳になりますが、以前は年齢や外見の衰えを気にしていました。体もあちこち痛くなるし。誕生日を迎えると「おめでとう」と言い合うんですけど、「もうちょっと頑張って生きていかなきゃね」みたいな前向きな言葉なのか暗い言葉なのか…、年齢を重ねることに少し後ろ向きな印象があったんですけど。でも、冥土喫茶で働くようになったら常に楽しいので、気持ちと体が自然と楽になったような感じはしますね。私が元気になると、その影響か、周りの友達も元気になってきた気もしますし。

 

デコちゃん:ポジティブエイジングという言葉があるらしいんです。先ほど65歳の応募年齢に満たない話もありましたが、「早く65歳になりたい!」って思うことってあまりないかと思うんですよね。前向きに歳を重ねて。

 

桐生市もかなり高齢化が進んでいますが、歳を重ねることを楽しみにできるような地域にしたいね、とみんなで話をしています。歳をとることって結構おもしろいよね。いいことまだまだたくさんあるよねっていうことが、冥土喫茶を通じて伝わるといいなと思いますね。

 

── メイドになることで人に見られる喜びや承認欲求のようなものも満たされる感覚はありますか?

 

デコちゃん:あると思います。普段、お客さん以外から「かわいい」とか言ってもらえることがないですし(笑)。接客をする側なんですけど、冥土喫茶にいるとすごく気持ちが満たされます。

 

ココちゃん:この仕事自体が自分をポジティブにさせてくれるので、とても感謝していますね。

 

取材・文/松永怜 写真提供/NPOキッズバレイ