経営のノウハウもなかった夫が突如、社長に

── 2018年には、ビートたけしさんがオフィス北野から独立し、同事務所は「TAP」として再スタート。夫の枝豆さんが社長に就任されました。

 

江口さん:「お前が社長をやれ」というたけしさんの鶴のひと声でスタートしました。まさに「青天の霹靂」でしたね。もちろん経営のノウハウも何もない状態。最初は「枝豆が社長なんて1年ももたない」と言われていましたが、気づけば7年目になりました。

 

今は、事務所の未来をどう作るか日々、頭を悩ませているようです。軍団の兄さんたちも高齢化してきていて若い人材を育てないといけませんが、これがなかなか難しく試行錯誤の連続ですね。

 

── 夫が社長になったことで、家庭での夫婦関係に変化はありましたか?

 

江口さん:私たち自身は何も変わっていませんが、私は妻であると同時に所属タレントという立場でもあります。その視点から話をすることはありますが、経営に口を出すことではないので、もっぱら聞き役に徹してます。彼にとって60代にして突如、降ってきた重責。いろんなことを抱え込みすぎてパンクしないように、悩みを受け止めるクッション役になれればと思っています。

 

── 来年は結婚30周年を迎えますね。これからおふたりでやってみたいことはありますか?

 

江口さん:旅が好きなので、時間ができたらいろんな場所を一緒に巡りたいですね。私はまだイタリアに行ったことがないんですが、夫は旅番組の仕事でギリシャとイタリアを回ったことがあって、「すごくよかった!いつか連れて行きたいんだよね」と言ってくれていて。その言葉を信じて、いずれ一緒に行ける日を楽しみにしています(笑)。

 

PROFILE 江口ともみさん

えぐち・ともみ。1968年、東京都生まれ。東洋英和女学院短期大学卒業後、商社への就職を辞退し芸能界入り。ナレーターや司会業を中心に活動し、「ビートたけしのTVタックル」など多数の番組に出演。1996年にたけし軍団のつまみ枝豆と結婚。現在は芸能プロダクション「TAP」に所属し、幅広くメディアで活躍している。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/江口ともみ