政治家の曽祖父、作曲家の祖父、建築家の父など、多くの有名人を親族に持つタレントの團遥香さん。華麗なる一族と呼ばれ豪華絢爛な生活をイメージされることが多いそうですが、あながちそうとは言えないそうで──。(全2回中の1回)
女性親族はみな、伝統女子校に通っていたけれど

── かつては情報番組『ZIP!』のレポーター、現在はアパレルのクリエイティブ・ディレクターとして活躍されている團さんですが、祖父は作曲家の團伊玖磨氏、父は建築家の團紀彦氏と、まさに「華麗なる一族」といえるご家庭の出身です。私たち庶民からすると、相当華やかな生活を送っていらっしゃったのではないかと…。
團さん:いえいえ、そんなことはありません。たしかに、祖父は童謡『やぎさんゆうびん』などを手がけており、その世界では名の知れた作曲家でした。話すことが大好きで、交友関係の広い人だったのだと思います。立派な家に住んでいて、遊びに行くと芸能界などでご活躍されている有名人のお客さまもいらっしゃるような華やかな雰囲気でした。
祖父は私が7歳のときに亡くなりました。それまではお正月に祖父の家に行くと新年のごあいさつに来てくださった方々からたくさんお年玉をもらえたこともありました。でも、それは祖父が亡くなるまでの話。「質素の中にこそ美がある」と考える母の教育方針が基本的にはあり、私の実家は派手さとは無縁の家庭だったように思います。
── お母さんの教育方針ですか?
團さん:そもそも私の両親は、お金の使い方に厳しい人でした。父の行きつけはリーズナブルな大衆居酒屋だし、母が高価なブランド品を持っていた記憶はありません。買い物も地元のスーパーでするし、姉に至ってはレストランでもいちばん安いメニューを注文するほどの倹約家に育ちました。私自身、シャネルなどのブランド名などは大学生になってから初めて知りました。
母と7歳上の姉は都内の同じ伝統女子校に通ったからか、学校の教育方針や風習の影響で価値観が似ています。ムダ使いが嫌いで服に興味がなく、母は気に入った服は10年以上着続けています。高価なものを買うよりも内面を磨くことが好きで、健康のために食べるものや栄養管理にこだわっていたと思います。

── 團さんはお母さんやお姉さんとは違う学校に通われたそうですね。
團さん:母や姉を含めた親族の女性のほとんどが同じ都内の伝統女子校に通っていたため、本来は私もそちらの小学校を受験する予定でした。それなのに、信じられないことに父が願書を出し忘れたんです。それで急きょ、そのタイミングで願書を出しても間に合う国立の小学校を受験することになりました。無事に合格したのですが、そこは男女共学で比較的活発な校風の学校でした。そのおかげか、私だけ母や姉とは少し異なる、はつらつとしたタイプに育ちました。私はおてんばだったので虫を平気で触れるし、ひとりでラーメンを食べに行くのも大好きですし、いわゆる「お嬢さま」のイメージとは離れているかもしれません。父は、自分が願書を出し忘れたことを棚に上げて、「な、今の学校のほうがよかっただろう?(お前に合っていただろう?)」と言っていましたが…(笑)。