うたのおにいさんになってから今年で40年。これまでに多くの子どもたちと関わってきた坂田おさむさんは、家ではどんな「おとうさん」だったのでしょうか。昨年「おじいちゃん」になったという坂田さんに、自分の子育てを振り返って感じることを伺いました。(全3回中の3回)

家では「おさむおにいさん」とは違う顔

── 坂田さんがうたのおにいさんになったときは、娘さん(シンガーソングライターの坂田めぐみさん)がいたんですよね。自宅ではどんなお父さんだったんでしょう?

 

坂田さん:えーとね、ダラダラしてました(笑)。特におにいさんになりたてのころは「頑張って“おにいさん”しなきゃ!」って思ってたから、家に帰ると「もうダメだぁ、疲れた~~」とか言って、あとは電池切れ。だから娘には、人間にはいろんな顔があることを身をもって教えられたかな…なんちゃって(笑)。

 

坂田おさむ
今も「おさむおにいさん」として活躍する坂田さん

── テレビでの「おさむおにいさん」は、家では違う姿だったんですね。では、番組卒業後はどうでしたか?

 

坂田さん:そのころは、曲づくりを頑張っていました。『おかあさんといっしょ』で、子どもたちのおにいさんという財産をいただいたでしょう?それにフォークやロックの要素を加味したコンサートをやりたいと思ってたから、曲つくって、歌詞つくって。

 

── ソングライターとしての坂田さんですね。

 

坂田さん:そうです。実は私、ソングライターなんですよ(笑)。でも、8年間も番組に出させてもらったから、もう一度ソロでやるのは再デビューみたいな気持ちだったな。だからとにかく一生懸命でしたよ。順調なことばかりじゃなかったし。

 

坂田おさむ、坂田めぐみ
坂田おさむさんと、娘の坂田めぐみさん

── 坂田さんは、仕事場もご自宅だそうですね。イライラしたときなど、ご家族にぶつけてしまったりはしなかった?

 

坂田さん:逆に、家族がストレス解消になるというかね。自分の部屋で作業してるから、やっぱりどうしても音が漏れるのよ。それで娘が「今度のその曲、いい感じだね」とか言うと、お、いけるかも?て思ったりね。だから、家族の存在はありがたかったですよ。