半年に一度定期検診を続けている

── 病気を経験したことで、伝えたいことはありますか?
田崎さん:早期発見の大切さを身をもって実感しました。多くの人は血尿などの症状が出てから病院に行くようですが、そうなるとステージが進んでいたり、腫瘍が大きくなっていることが多いらしくて。腎臓がんは進行すると血尿や脇腹の痛み、体重減少といった症状が出ますが、初期では症状がほとんどないので、見つかりにくいようです。
でも、僕が病気になったことで、周りの芸人仲間も健康意識が高まり「きっかけをくれてありがとう」と感謝されることも。芸人は個人事業主なので、健康診断の機会が少ないんですよ。「自分への投資だと思って、1年に1度は受けたほうがいい」と伝えています。
── 人間ドックは今も受けていらっしゃるんでしょうか?
田崎さん:今は半年に一度、定期検査を続けています。じつは腫瘍が見つかったときは、PET-CTと腹部エコーで腫瘍が判明し、腫瘍マーカー検査は陰性だったんです。もし腫瘍マーカーだけに頼っていたら、次の人間ドックを受けるまで病気が進行していたかもしれない。そう思うと怖いです。だからこそ「早期発見のためには、1つの検査だけでなく、多角的に検査を受けることが大事ですよ」とよく話しています。
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腎臓がんの手術後は病室に多くの芸人仲間がお見舞いに駆けつけてくれたという田崎さん。相方のトキさんは「ラララライ体操」のタンクトップ姿で訪れたそうですが、手術の翌日ということもあり、田崎さん家族はドン引き(笑)。あとから聞いたところ、「あんなにスベると思わなかった…」と言っていたそうです。
PROFILE 田崎佑一さん
たさき・ゆういち。1981年生まれ、兵庫県出身。吉本興業所属。2003年 NSC大阪校26期生。2005年に結成した藤崎マーケットのツッコミ担当。2012年に第10回MBS漫才アワード優勝、2014年に第3回ytv漫才新人賞優勝、2017年 歌ネタ王決定戦優勝などの経験を持つ実力派コンビ。
取材・文/西尾英子 写真提供/田崎佑一