いきなり朝ドラの準主役も「順調ではなく挫折を感じた」

── その後、NHK朝ドラ『なっちゃんの写真館』で俳優デビュー。ヒロイン・なっちゃんの親友役に抜擢されています。朝ドラの準主役でデビューとは、順調なキャリアのスタートですね。

 

萬田さん:でも主役じゃなかったので、トントン拍子というわけではなくて、自分のなかではある意味、挫折でした。ミス・ユニバースのときも、日本代表と準ミスの扱いの違いを経験していて。1位と2位では「大きな差がある」のはわかっていました。注目されるのは1位で、2位から下は「それ以外の人たち」なんです。たとえば『なっちゃんの写真館』の記者会見で「主役と準主役の3人並んでください」と言われて、まず写真を撮りますよね。すると続いて「今度は主役だけ撮りますので、ほかの3人はハケてください」と、言われてしまう。

 

もちろん準主役に選ばれただけでもすごかったと思います。でも、みんなから「おめでとう」と言われても、当時の私は喜べなかった。私にとって、トントン拍子といえるのは、やっぱり主役を務めることでだったからです。いま振り返れば図に乗っていたなと思うけど、だからいい挫折だったと思います。それに、あのころはまだ俳優としてやっていくことに迷いがありました。本当にお芝居が好きだとか、人を感動させたいとか、そういう覚悟がないまま演技の世界に来ちゃったのかもしれません。