お米をしっかり1日3食生活で症状改善
── 妊娠糖尿病の対策では何かされたのですか?
北原さん:医師からは、「普段、炭水化物を全然食べていないから、まずお米を食べることが改善策のひとつになりそうだ」と言われて。意外なのですが、一般的に糖質が高いと言われるお米が、糖尿病の患者さんに対する食生活の指導で見直されているのだそうです(※)。
(※)体質や症状などによって改善策は異なるため、医師にご相談ください。
私の場合は「主食・副菜などをバランスよく食べる。主食に炭水化物をとる」ことを指示されました。でも、同じ妊娠糖尿病でも患者さんの状況や医師や栄養士さんの考え方によっても違うと思います。
そこから病院の栄養士さんと一緒に、食生活を見直しました。といっても、厳しい制限があったわけではなくて、まず、朝昼晩の1日3食、お米をしっかり食べるようになりました。あとは、最初に野菜から食べる「ベジファースト」を守って。私の場合、妊娠前は朝食を食べていなかったので、食生活が大きく変わりましたね。今まで痩せるって決めたら、基本食べないことを選択してきたんです。

──「年中ダイエット」だった以前の生活からは大きく食生活が変わったのですね。
北原さん:はい、180度変わりました。妊娠生活では、何をするにも「お腹の子のために」という気持ちがすごく大きくて、特に食べ物は自分が摂った栄養がすべて赤ちゃんにゆきわたると思って本当に気をつけました。なるべくお肉よりお魚を選ぼうかなとか。
今でもその食生活を続けていることを考えると、妊娠糖尿病は、最初はつらかったし不安も大きかったけれど、赤ちゃんにとっても、自分が健康的な食習慣を始めるためにも、いいきっかけになったと思います。ダイエットが当たり前だった妊娠前と比べて、食生活への考え方は大きく変わりましたね。体重を一時的に減らすことって、そこまで難しくないんです。でも、しっかり食べて必要な栄養素をとって、健康的に生きていくことがどんなに大切か、わが子との生活を通してしみじみ感じています。
妊娠後期になると症状は改善されたんですけど、それでも出産する2週間前までは血糖値を計測する機器を身につけていました。出産1か月前の健診ではずしてもいい状態になってからも、「いちおうつけとこうか」って。私は投薬が必要になるほどの高い数値にはならず、妊娠後期には数値が安定していたので、安心して出産に臨むことができました。

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妊娠糖尿病で不安を抱えながらも、食事を見直して無事臨月を迎えることができた北原さん。出産直前に偶然会ったのは、俳優の吉田鋼太郎さんだったとか。無事に第1子を出産できたのは吉田さんのおかげかも?と感じているそうです。
PROFILE 北原里英さん
きたはら・りえ。俳優・タレント。1991年6月、愛知県出身。元AKB48選抜常連メンバー、元SKE兼任メンバー、元NGT初代キャプテンとして活躍。2018年春に卒業後は、数々の映画・ドラマ・舞台など幅広い役を演じる。2021年、俳優の笠原秀幸氏と結婚、2023年には『おかえり、めだか荘』で小説家デビュー。2024年11月には第一子となる女児を出産した。
取材・文/高梨真紀 写真提供/北原里英