子どもにオペラを身近に感じてもらう活動で全国へ
── 手術後、お仕事に復帰されています。現在の活動を教えてください。
ミッチェルさん:舞台でオペラを歌ったり、全国の学校を回ってアウトリーチ活動をしています。これはオペラ『カルメン』を1時間に短縮して、ピアニストさんと一緒に子どもたちに歌ってもらったり、みんなに舞台を実際に体験してもらい、オペラを身近に感じてもらおうという試みです。あとは以前、自分たちでミニオーケストラを作って、『カルメン』を上演したことがありました。それがすごく好評だったので、こちらも続けていきたいと思っています。

── 病気を抱えつつ、精力的に活動されているようです。
ミッチェルさん:命ある限り子どもたちに音楽の素晴らしさを伝え続けたい、そして大好きなオペラ『カルメン』の魅力を広めたい、という思いがあります。私自身、クラシック音楽の道に進んだのは、小学校3年生のときに音楽の授業でオペラ『カルメン』に感銘を受けたのがきっかけでした。それから「オペラに出たい」「歌を歌いたい」と夢を抱くようになり、音楽の道に進みました。大学を卒業後、小澤征爾さんが主宰していた小澤塾の『カルメン』に塾生として参加し、そこで夢をひとつ叶えています。
もうひとつの夢として、『カルメン』を作曲したジョルジュ・ビゼーのお墓参りにいきたい、という想いもありました。40代になって初めてお墓参りでフランスへ行って、30年越しの夢を叶えることができました。ビゼーが『カルメン』を書いた家もまだ残っていて、お酒を飲めるお店になっています。そこで写真をたくさん撮ってきて、子どもたちに見せては「行ってきたんだよ、だから、夢って叶うんだよ!」と伝えています。