真っピンクな教室やネイルや髪型も自由な今どき女子が集う、通信制サポート校・渋谷女子インターナショナルスクール。独自のカリキュラムではメイクや動画編集などに取り組んでいます。元ギャル校長・赤萩瞳さんが目指す子どもたちの未来とは?(全2回中の2回)
「ギャルマインドを世界へ」叶わなかった夢を今
── 2023年に「渋谷女子インターナショナルスクール」(シブジョ)を立ち上げ、校長を務める赤荻瞳さん。シブジョは全日の通信制サポート校で、高校卒業に必要な通信制高校の授業については他校と連携。その単位取得のサポートに加え、SNS・動画編集・英会話などの授業もされています。校長就任以前は、復刊したギャル雑誌『egg』の編集長として活躍し、ギャル文化を牽引してきました。シブジョのキャッチフレーズに「渋谷から世界へ」とありますが、そこで学べることとは?どのようなカリキュラムが組まれているのでしょう?
赤荻さん:シブジョ独自で行う講義はXやYouTubeなどのSNS、動画編集、英会話がメインです。高校卒業資格に必要な授業は別途、提携する高校(通信制課程)で受けることになります。本当は『egg』の編集長だったときに海外進出してギャル文化を世界に発信したかったんですが、それが叶わないまま編集長を卒業してしまって。自分のなかに心残りがありました。だから、海外で活躍する子たちを育てていきたいと思い、外国語の授業には海外の教師も充実させています。名称もインターナショナルスクールにし、「渋谷から世界へ」というコンセプトを掲げています。
生徒は「SNSを使って活躍したい」「インフルエンサーを目指したい」という子が多く、かなり実践に即したカリキュラムになっています。講師も、いま現役で活躍されているインフルエンサーにお願いしていて、バズり方などSNSの裏側を教えてもらうなど、リアルな情報を学べるようにしています。
なかには「ビジネスに使えるInstagramの活用方法」など、ビジネス面に特化したカリキュラムもあります。近頃は企業のSNSに精通した人材の獲得が進んでいて、スキルがあると初任給が5万円プラスになるような会社もあります。SNSの使い方が上手ければ、いまの時代どこに行っても重宝されますよね。

実習にも力を入れていて、企業とコラボする授業もあります。最近の例でいうと、食べ放題のレストランを運営するスイーツパラダイスさんから案件をもらい、生徒が現場に行って、自分たちで動画を撮影・編集をして、SNSで発信したことが。また、SNSの表に立ちたいわけでなく裏方を希望する生徒は、東京ガールズコレクション(TGC)のティーン向けイベント『TGC teen』にインターンで行き、正規のスタッフさんに混ざってインカムをつけて現場を学んだり。シブジョならではの「ふつうじゃない」経験ができていると思います。