コロナで全仕事がキャンセルに…再起をかけたインスタライブ
── 今やアラフィフ世代に大人気のYouTubeは54歳から始めたそうですね。きっかけは何でしたか?
化け子さん:ちょうどコロナ禍に入って外出できなくなり、芸能界の仕事も全部ストップしてしまったんです。貴子さんが「時間がある今こそインスタライブだよ」というので、とにかく毎日やってみることに。そこで、自分の顔を見本にシミ消しのテクニックを披露したら「すごい!」って予想以上の反響があり、フォロワーが増えていったんです。私からしたらなんてことないことでも、観ている人の役に立っていると実感がわいたし、視聴者の方と交流するのも楽しくて。講座よりもインスタライブのほうが自分に合っているなと感じました。

── インスタライブをきっかけに、自分の得意分野がわかってきたんですね。
化け子さん:そうですね。絶対みんな喜んでくれるという確信をもってました。そんなとき、ふとしたきっかけから、貴子さんと一緒にYouTubeチャンネルを立ち上げることになりました。コンセプトは「40代以上に共通する加齢悩みにフォーカスしたメイク」。大人の乙女心に立ちはだかる加齢悩みを払拭できることを知ってもらいたかったんです。その後すぐにさおりさんが合流して一緒に会社を立ち上げ、本格的なスタ-トをきりました。
── ご自分をモデルにメイク技術を伝えていますが、すっぴんを披露することに躊躇はしなかったのですか?
化け子さん:シミだらけだけど、すっぴんを出すことにはまったく抵抗なかったです。加齢の悩みを発信するんだから、そのまま自分の顔を見せたほうがいい。それに女優さんって普段はすっぴんの人がほとんどで、メイクをしてスイッチが入るんです。そういう姿をそばで見ていたのもあると思います。

実は最初は、もっとカッコよく、「ヘアメイクアーティスト・岸順子」みたいな感じでブランディングする話もあったのですが、私はキラキラした世界では勝負できない気がしていて。知り合いの経営者の方に相談したら、「化け子」ってどうですかと提案され、即「それいただきます!」って(笑)。「ヘアメイク職人_化け子」というチャンネル名にしました。