「ママ、ママ」とギャン泣きする娘

尾形あい
子どもを抱っこしながらも食べまくっていたころ

── 娘さんはママの病気のことは理解していたのですか?

 

尾形さん:救急車に運ばれたときは娘が起きる前に帰宅できたので、娘は何も知りませんでした。その後「ママはおなかの手術をしなくちゃいけないから、いなくなるよ」ということを数日かけて伝えました。当時はまだコロナの影響があり、5歳の娘が私の病室に来ることはできませんでした。

 

── 入院中、娘さんはどうしていたのですか?

 

尾形さん:入院初日はお友達の家に預かってもらい、夜遅くパパが帰宅してから引き取りに行ったのですが、ママ友が「楽しく過ごしているから泊まっていっていいよ」と言ってくれて甘えさせてもらうことにしました。さくちゃんもその日はお泊りできる楽しさのほうが勝っていたようなのですが、2日目になると、ママがいないという事実に寂しくなり、「ママはいつ帰ってくるの?」と何度もパパに聞いていたようです。

 

娘はそれまで私と一緒にしか寝たことがなかったので、パパが寝かしつけをしても「ママ、ママ」としか言わずギャンギャン泣いて大変だったみたいです。私は、娘が寝るまでテレビ電話をつないで、泣いているのを見守るしかありませんでした。