お笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘さんの妻・あいさんは、2023年に緊急搬送された経験があります。発覚時は心筋梗塞を疑うほどの激痛があり、夫の尾形さんは「これからどう生きていけば…」とパニックに陥ったそうです。(全3回中の1回)

ある日、みぞおちに激痛が走り呼吸困難に

パンサー尾形貴弘、尾形あい
尾形さんファミリー。いちばん右が尾形あいさん

── 2023年11月、胆石症の手術をされたそうですね。病気はどのように発覚したのですか?

 

尾形さん:胆石症が発覚する半年前から月に1回程度、背中にずーんとした痛みがくることが毎月、続いていました。日常生活が送れないほどではなかったですし、普段から生理痛や腰痛などもあるので、あまり気にせず市販の痛み止めを飲んで過ごしていたんです。

 

毎月の痛みをやり過ごして半年経ったころ、1週間ほど背中のずーんとした痛みが続いて、薬を飲んでもなかなか効かないので「これはいったいなんだろう」と思いはじめました。そしたらある日の夜中、胸からみぞおちにかけてものすごく嫌な痛みを感じて寝ていられなくなり、起き上がるとキュッと息苦しくなって呼吸がしにくい状態に。実はその半年前に家族が心筋梗塞で倒れていて…無事ではあったのですが、そのときのことが頭をよぎって不安になり、パパを起こしました。

 

── 出張が多いご主人ですが、その日はご自宅にいらっしゃったのですね。

 

尾形さん:そうなんです、たまたま家にいて。当時5歳の娘を起こさないようにパパだけ起こして「体が痛くて苦しい。これはまずいかも」と伝えました。いったん落ち着こうとリビングに行って水を飲み様子を見たのですが、そのうち呼吸が苦しくて会話もできなくなり、のたうち回るほどの痛みが襲ってきました。どんな体勢になっても苦しくて、まさにゴロゴロとリビングを転がっていた状態です。

 

それを見て「これはさすがに救急車を呼んだほうがいいんじゃない?」と。救急隊が到着し「パパはさくちゃん(長女・さくらさん)のところにいて!」とひと言だけお願いしてすぐに搬送されました。年間通すとパパがいない日のほうが多いので、もし娘と2人だけのときにあの痛みが起こっていたら…と思うとゾッとします。

心筋梗塞を疑われ「私、死んじゃうの?」

尾形あい
以前は回転寿司に行くと30皿は余裕で食べていた

── 救急隊の方からはどんな声かけがあったのですか?

 

尾形さん:どこが痛いか聞かれても息が切れ切れだったのですが、みぞおちが痛いと伝えると、その時点では心筋梗塞や動脈解離を疑われました。もし心筋梗塞だった場合は「この痛がり方だとかなり重症だ」ということで、救急隊の方がパパに電話をしてくれました。「娘さんを起こしてもらって病院に来ていただく可能性がある状態です」という声が聞こえてきて、「え?私、死んじゃうのかな?もう家族に会えないの?」と不安になり、涙が溢れてきました。パパはパパでその言葉を聞いて「そんなに危険な状態なの?さくちゃんと2人でこれからどうやって生きていけばいいの?」とパニックになり、夜中に「どうしていいかわからない」とパパ友に電話したらしいです。

 

── それは不安になりますよね。病院に着いてからはどんな処置だったのでしょうか?

 

尾形さん:痛み止めを打ってもらってから、CTやエコー、採血などで検査をした結果、大動脈や心臓は問題なさそうだとわかりました。じゃあ、この痛みは何だろうと調べるなかで、以前人間ドッグで小さな胆石があると医師に言われたことがあったのを思い出しました。ただ「胆石自体は日本人の約10人に1人の割合で持っているし、胆石が小さくて何も症状がなければ気にするほどのことではない」と言われていたので、すっかり忘れていたんです。結果的に胆石が何個も見つかり、小さくても激痛を引き起こすような場所にあることがわかりました。ひとまず命にかかわることはないと言われて安心し、すぐにパパに連絡してもらったら、安心して電話口で号泣していました。