仲直りのきっかけにと始めた謝罪代行

ですよ。
謝罪代行で「弟とケンカしたので謝って欲しい」という依頼の末、無事仲直り

── ご夫婦の言葉を胸につらい時期を乗り越えられたんですね。数年前には、ですよ。さんが始めた謝罪代行サービスが話題になり、再びブレイクされました。

 

ですよさん。:2019年くらいから依頼主に代わって怒っている相手に僕が謝る代行サービスを始めたのですが、最近は月に1〜2本くらいのペースでやっています。「あいとぅいまてーん」を人のために役に立てれば、と思ったことがきっかけだったのですが反響がすごく、多いときは月に400を超えるお問い合わせが来ていました。

 

── 具体的にはどのような依頼が多いのでしょうか?

 

ですよさん。:僕のなかで依頼を受ける基準がひとつあって、家族、恋人、親友など、親しいからこそ謝りたいけれど謝れないときってないですか?そういう人たちの謝るきっかけになれるとき、謝罪代行をするようにしています。「悪いことをしたのに自分は謝りたくない」というような依頼は受けていません。

 

たとえば、友達と行く夏フェスにチケットを持っている依頼人が遅刻したせいで友達もフェスに行けなかった。でもこれからも仲よくしたいので、いっしょに謝ってほしいという依頼がありました。謝ったものの、「夏フェス舐めるなよ」と怒られましたが(笑)。あとは結婚5年目の女性に、旦那さんが僕のファンなので、結婚5周年の日に「いつも掃除ができなくてあいとぅいまてーん」と一緒に謝ってほしいと言われたことも。旦那さんは僕が来たことをすごく喜んでくれました。

 

── 大変だった依頼はありましたか?

 

ですよさん。:ある旦那さんから「離婚危機なので妻に一緒に謝ってほしい」という依頼がありました。家にいる奥さんに謝罪に行ったのですが、それが悪いほうに働いてしまって、醤油の容器が飛んできました(笑)。その後、旦那さんに「お詫びにご飯でも…」と言われて、断るに断れずに承諾。外食するのかと思ったら、なぜか家でご夫婦とお子さんと一緒に食事をすることに。明らかに気まずさを感じたのですが、奥さんが食事中に「醤油がない。醤油どこ?」と言ったときに、「さっき投げたじゃないですか〜」と返したらクスッと笑ってくれて。それをきっかけに仲直りしてくれました。ホッとしましたね。

 

── 今後の目標などはありますか?

 

ですよさん。:これからも愚直に「あいとぅいまてーん」のネタを極めることですね。このネタは、野球選手が毎日何十回も素振りをするように、僕も1日に何十回も練習しています。最近はライブで後輩芸人に「あいとぅいまてーん」レクチャーをしています。みんなが「あいとぅいまてーん」をできるようになって、笑ってくれればうれしいなと思います。

 

ですよ。
「あいとぅいまてーん」ネタを極めたいと話すですよ。さん

 

PROFILE  ですよ。さん

1976年、東京都生まれ。2006年に「エンタの神様」でブレイク。「あいとぅいまてーん」「チョココロネだったんだYO!」などラップ風の謝罪ネタが人気。2019年から謝罪代行サービスを行い、話題になっている。

取材・文/酒井明子 写真提供/ですよ。