「あいとぅいまてーん」のネタでブレイクした芸人・ですよ。さんはブレイク後に低迷期を迎え、周囲からも心ない言葉を投げかけられた時期があったそう。それでも、ある言葉を支えに「辞めちゃいけない」と踏みとどまれたことで、今があります。(全2回中の2回)

「こんなことしても食べていけないでしょ?」

ですよ。
スーツ姿で...あーいとぅいまてーん!(Instagramより)

── ですよ。さんといえば、謝罪文句「あいとぅいまてーん」のネタの印象が強いです。これらのネタはどうやって生まれたのですか?

 

ですよ。さん:僕は吉本興業のお笑い養成所・NSCの出身です。ありがたいことに卒業後、オーディションにすぐに合格して、吉本のお笑いライブに出られることになったんです。NSC時代はどっかんどっかんウケていたので、お笑いライブでもそうなるだろうと自信満々に挑戦したのですが、そこで大スベリしてしまい…。会場がシーンとなってしまったとき、とっさに出たのが「あいとぅいまてーん」という謝罪の言葉でした。そしたらそれがめちゃくちゃウケて、そこからずっとやっています。

 

── ほかのネタはあまりやらないですよね?このネタにこだわっているのには理由があるのでしょうか?

 

ですよさん。:NSCを2002年に卒業し、2006年に出演したバラエティ番組『エンタの神様』でブレイクしたのですが、その後は僕の出演シーンの視聴率がふるわなかったようで。2007年の3月で僕の出演が終わってしまいました。ちょうど仕事が少なくなったころ、友達の結婚式の二次会で余興を頼まれたんです。余興でネタを「あいとぅいまてーん」でやったのですが、これがテレビではウケたのにここではあまりウケなくて…。その後にみんなで飲んでいたのですが、初対面の参加者のひとりに「あれのなにがおもしろいの?」「こんなことしてもご飯食べていけないでしょ?」と言われたんです。それだけでもショックだったのに、それを聞いて周りの人たちもクスクス笑い始めて…。

 

普通だったらそれで落ち込むかもしれないのですが、僕の場合はこれで火がついてしまい、「じゃあこのネタだけを武器にがんばって、いつか見返してやろう」という気持ちになったんです。その後、認めてもらえたのかわかりませんが、まだ芸人をやれてますね(笑)。

 

── 売れない時期を経験して、芸人を辞めようと思ったことはなかったのでしょうか?

 

ですよさん。:限界を感じたことはありました。2008年当時はSNSやYouTubeもなく、売れるにはテレビに出るしかない。でも、テレビでは好きなネタばかりができるわけでもないし、どうしたものかなと。そういうつらいときに「辞めてはいけない」と思わせてくれたのが、10代でボリビアにサッカー留学をしたときに出会った日系人夫婦にかけてもらった言葉だったんです。