治療の合間をねらって海外旅行も

関谷友美と夫
妊娠がわかって、夫と水天宮に安産祈願へ

── お笑いも支えになったのでは。

 

関谷さん:そうですね。人前に出てお笑いをやって、笑ってもらえると気が紛れて「この生活もいいな」と思えました。正直、妊活をする前はくさっていたんですよ、私。「お金にならないのにライブに出て、苦労してネタを書いて、何やってるんだろう」って。でも妊活を始めてからは、たとえ収入に直結しなくても、お笑いという居場所があって、自己表現できる場があることに支えられましたし、「大切だな」と思うようになりました。

 

あとは「妊娠したらできないことをしておこう」と思って、海外旅行にもよく行きました。もともと好きだったのがコロナのせいで行けなくなってしまって、海外旅行への熱がより高まっていたんです。一度採卵すると1か月間お休み期間があるので、その期間をねらって。「いつか海外で暮らしたい」という夢があるので、移住先探しを兼ねて、インド、エジプト、タイ、中国、ベトナム、シンガポール、香港、いろいろなところへ行きましたね。インドとエジプトは、いつか住んでみたいです。人と人との距離が近いというか、遠慮しないで何でも言い合えるのが心地よくて。「ドラクエ」の世界観みたいな街の雰囲気も楽しかったです。

 

お酒が好きなので、飲み会もよくやっていました。不妊治療がうまくいかなかったときは「残念会」といっては芸人仲間と飲んで騒いで「また次頑張ろう!」と切り替えて。芸人をやっていると、オーディションや『M-1』とか「合格」「不合格」を判定される日々なので、「ダメだったら、次!」と切り替えることに慣れているのかもしれないですね。ショックはショックなんですけど、「なんでもネタにしてやろう」と思えますし。そこは芸人をやっていてよかったですね。

 

── その精神は、何をするにも助けになりますね。

 

関谷さん:結局4回うまくいかなくて、5回目の採卵で、移殖できる胚が3つできたんです。そのうちの1つを移殖して、妊娠に至りました。移殖して1週間後に陽性反応が出て、胎嚢と心拍が確認できて、「あー、よかった!」とうれしかったですね。旦那さんにはその都度報告して、喜び合いました。

 

関谷友美
友達にベビー服をプレゼントしてもらいました

── おめでとうございます。性別は…?

 

関谷さん:ありがとうございます。ずっとおまたを隠していて見えなかったんですけど、先日、エコーで男の子だとわかりました。楽しみですね。6月末に出産予定で、ライブは4月半ばからお休みする予定です。『M-1グランプリ』には絶対に出たいから、9月の予選で復帰できるように頑張ります! 

 

 

婚活も妊活も、「ダメだったら、次!」と切り替えてネタにして、「芸人魂」で乗り越えてきた関谷さん。お互いに「ありがとう」と言い合って支え合えるパートナーとなら、子育ても一緒に楽しめそうですね。

 

PROFILE 関谷友美さん

せきや・ともみ。芸人。埼玉県出身。2015年にコンプライアンス小松崎さんとお笑いコンビ「ハナイチゴ」を結成。関谷さんの毒舌を前面に押し出した漫才で注目を集め、「ジロジロ有吉」(TBS)や「まいにち賞レース」(配信)などの番組に出演している。趣味は、海外旅行と草野球。 

取材・文/林優子 写真提供/関谷友美