立ち会ってもらうため病院の廊下を歩き

── 芸能人の方の場合、仕事の関係上、特に出産の立ち会いは難しそうですが、高岸さんはいかがでしたか?
沢井さん:そうですね。立ち会ってもらうつもりで出産予定日は仕事を空けてもらっていたのですが、自然分娩だったのでそううまくはいかず、出産予定日よりも9日ほど早く、夜中に陣痛が始まりました。最初はじんわり痛いだけだったので陣痛とはわからず「これは前駆陣痛かな?」とのんきに構えていて。それが、夜中から始まった痛みが朝にはひどくなっていて「これはもしかして陣痛か?」と。陣痛の間隔を測れるアプリで調べたら、たしかに定期的に痛みが来ていて。私が何回もトイレなどを行き来していて普段と様子が違うため、夫もとても心配していました。
── 陣痛だとわかってすぐに病院へ?
沢井さん:陣痛アプリを使いながら様子を見ていたのですが、まだ我慢できるかなと思って数時間、自宅で耐えました。というのも、病院は朝8時前だと深夜料金が加算されるので、できることなら8時まで我慢したいという気持ちがあり(笑)。それで限界まで我慢して、8時過ぎに病院に電話をしたら「すぐに来てください」と言われました。
ただその日、夫は生放送でのテレビ出演の仕事が入っていて立ち会いは難しかったんです。でも、マネージャーさんや仕事先の方々が協力してくれて、リハなしで、本番ぶっつけで出演すればいい形に調整してくれて、16時までに病院を出ればなんとか仕事に間に合うようにしてくれたんです。それで私としては「じゃあ何としても16時までに産まないと」と覚悟を決めました。
── 出産は早められるものなのですか?
沢井さん:助産師さんに聞いてみると、産むためには子宮口を広げる必要があり、そのためには動くことが大事だと。座らずに中腰で呼吸をがんばりました。それでもなかなか広がらず、ならばあとは歩くしかないと言われて、痛みに耐えながら病院の廊下をひたすら歩き続けたんです。夫はその間もずっと腰をさすってくれたり、水を持ってきてくれたりとサポートしてくれました。
── 結果的に何時に産まれたのですか?
沢井さん:15時くらいに無事に産まれました。生放送の仕事が迫っていたので、夫は生まれてすぐに仕事に向かいましたが、ギリギリ間に合ってよかったです。本当にラッキーでしたし、彼のマネージャーさんをはじめ、たくさんの人にお世話になりました。ありがたいです。
PROFILE 沢井美優さん
さわい・みゆう。1987年、神奈川県生まれ。2003年に放送された実写ドラマ『美少女戦士セーラームーン』で主演・月野うさぎを演じる。2022年にお笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行さんと結婚。2024年11月に第一子を出産。
取材・文/酒井明子 写真提供/沢井美優