2022年5月に仕事で訪れたアメリカ滞在中に骨盤を骨折。1か月の現地療養を経て帰国した益若つばささん。結果的に9か月間の長期休業をしいられますが、その間、人間関係で気づいたことがあったそうです。(全4回中の2回)
ずっとこのまま治らないのか

── 2022年5月に仕事で訪れていたアメリカで骨盤を骨折。座ることも歩くこともままならない状態だったため、急きょ、現地の知り合いの家で療養生活を送ることになりました。骨折から1か月後に帰国しますが、日本での生活も苦労が続いたとか。
益若さん:まず、痛み止めの薬がまったく合わなかったですね。アメリカでもらっていた薬はとても強い薬だったので、1か月しか飲んではいけないと言われていました。帰国後は日本の病院で別の薬をもらいましたが、薬を飲むと吐いてしまって、生まれてはじめてちょっとパニックというか、発作みたいな症状が出てしまったんです。パニックになる人の話を聞いたことはありましたが、自分もそうなっちゃうんだと。このままずっと体が治らないんじゃないか、元の生活には戻れないんじゃないかと不安にかられて「抑うつ症状」も発症して…。
薬を飲む目的を先生に尋ねると、骨折を早く治すものではなく、「痛みをやわらげるため」と説明されて。飲まなくてもいいか相談すると「飲まなくていい、ただし痛いよ」と言われたのですが、薬でここまで調子が悪くなるならと、その日から薬を一切辞めました。
── 医師から今後の出産についても話があったそうですね。
益若さん:レントゲンで骨折した部分を見ると、ちょうど骨が子宮まで当たりそうな角度・位置にあったので、このまま骨が治っても出産は厳しいと言われてしまったんです。すでに息子はいたし、いいパートナーといつか巡り合ったら…くらいの感覚でしたが、突然「あなたは産めません」と言われるとかなりショックで。「え?私、もしかしてもうひとり産んでみたかったのかな」って後悔に襲われました。どうにかならないかと針治療や整体に自分でも通いながら、骨の位置を整えるためにできることはなんでもやってみたところ、最終的には先生が「骨の位置は戻ってます。妊娠もできる」とおっしゃってくださったので、ホッとしました。
あと、骨折するとリハビリをするっていうじゃないですか。「1日でも早くリハビリしてよくなってね」と周りからも言われたのですが、それが逆にプレッシャーになって、正直しんどかったですね。仙骨骨折はすぐにリハビリしたほうがいいという先生と、メンタルや体の状態を見ながらリハビリをしてもいいという先生がいるようで、私を担当してくださった先生は後者でした。「今はとにかくゆっくり休みなさい」と言ってくれたので、すごく気が楽になりましたね。同時に、よかれと思ってかけた言葉でも、人を焦らせたりストレスを与えたりすることもあるとわかって、自分も気をつけようと思いました。