登録者数約47万人の人気YouTuber「足の裏」さん(33)の夫である「あつろー」さんはADHD・ASDの診断を受けたことを公表しています。ともにYouTuberとして活動するうちに、足の裏さんはあつろーさんの行動に違和感を覚えるようになったといいます。(全3回中の3回)
「2時間話したことなんで全部忘れるの」受診で発達障害が判明
── 夫のあつろーさんは、ご結婚後、足の裏さんのすすめで病院を受診したとのことですが、診断を受けるまでにどのような経緯があったのでしょうか。
足の裏さん:結婚してお互いに正社員を辞めて、一緒にYouTuberとして活動するようになりました。交際しているときは特にわからなかったのですが、一緒に仕事をし始めるようになって、彼の行動にいろいろと違和感を覚えるようになったんです。
それがすぐにADHDやASDだとはわからなかったんですが、よく仕事の後に反省会みたいな感じで「次からこうしよう」と話していたんですけど、それをすぐに忘れちゃうんですよね。「この前、2時間も話した内容なのに、なんで全部忘れているの?」みたいなことの繰り返しだったんです。それで、私が精神的にどんどん追い詰められてしまって。私が言ったことをあまりにも覚えてないんで「私のほうがおかしいのかな」と思うようになってしまって。

── それは足の裏さんもつらいですね。
足の裏さん:そうですね。あまりにも彼の記憶がすっぽり抜けているので「私は言った気でいるけど、私がおかしいんだ」と思うようになって。でも、ネットで調べたりするうちに、当時私に出ていた症状が、発達障害の人をパートナーに持つ人がなる可能性がある「カサンドラ症候群」の症状に当てはまることに気づいたんです。正式な病名ではないみたいなのですが、うつのような症状が出ることがあるようで。
そこで初めて「あっくん(あつろーさん)は発達障害なのかもしれない」と気づきました。本人にも話したんですが、彼はプライドが高い性格なので、なかなか病院に行ってくれなくて。でも「発達障害なのかどうかがはっきりわからないと治せるのかどうかもわからない。もし治せないなら、どうすればいいのかを一緒に考えていけばいい。お願いだから病院に行ってほしい」と、私が病院の予約をとったんです。
そのときは「病院で診断してもらったけど、発達障害じゃなかったよ」と帰ってきたんです。でも、半年くらい同じ状況が続いたので、改めて話を聞いたら、実は病院に行っていなかったことがわかって。
── なんと…。ごまかしていたんですね。
足の裏さん:それで「私はもう本当に限界だから、子どもも生まれたしちゃんと診断を受けてきてほしい。薬があるなら処方してもらいたいし、どう対応をすればいいのか私も知りたい」と改めて話しました。それでもう1回病院を予約して、そこで初めて診断してもらえた、という流れでした。だから、病院に行ってくれるまでが結構、長かったですね。

── それは、足の裏さんとしてはしんどいですよね。
足の裏さん:今はもう大丈夫なんですが、当時は発達障害ってことを知らなかったので、彼の行動の理由がわからなくて。過呼吸になることがあったし、普段泣いたり怒鳴ったりするようなタイプじゃないのに「もう何なの!?」って叫んでしまうくらい精神的には追い詰められていました。
あとは、発達障害のパートナーを持つ人が周りにいなかったので、それもつらかったですね。仲のいい友達に相談しても「あっくん、いいひとじゃん」で終わっちゃうんですよ。人によると思うのですが、発達障害の人の特徴って、家族にしか見せないようなものもあるので、周囲の人に理解してもらえなかったのは大変でした。ただ、診断が出てからは「これは特性であって、治せるものではないんだから仕方がないな」と思えるようになりました。