登録者数約47万人の詐欺メイクYouTuber「足の裏から人間になるには」(通称・足の裏)さん(33)。容姿にコンプレックスを抱き、一時は二重メイクをせずには人前に出られなかったという足の裏さんが、YouTubeで素顔を公開するに至ったのはなぜだったのでしょうか。(全3回中の2回)
「お前の目、もやしみたいだな」
── 「詐欺メイクの神」と呼ばれるほどメイク動画が人気の足の裏さんですが、小学生のころから容姿にコンプレックスがあったそうですね。
足の裏さん:そうですね。ただ、私の小学校のころは「あの子がかわいい」「この子はかわいくない」なんて、まだはっきり言う時代ではなくて。なので、私は自分があんまりかわいくない部類だっていうことに気づくのが遅かったんですよね。

小学3、4年生のときにクラスで国語の劇をやることになり、お姫さま役があって。クラスのかわいい子たちがその役に立候補してたんですが、そこに私も立候補したんですね。それで「じゃんけんで決めよう」となったんですが、私が勝ってしまったんです。私は「お姫さま役ができる!」ってすごくうれしかったんですけど、クラスはシーンとなってしまって。
そこで初めて「あれ、私やっちゃいけなかったのかな」と。「あの子のほうがよかったのかな…たしかにあの子は目がくりくりしてかわいいよな」と気づいて。小学校高学年になると、男の子たちの容姿についての辛口発言が増えてきて、「お前の目、もやしみたいだな」などと言われるようになりました。私自身も「私の目、たしかに小さいな」と徐々に思い始めて。成長するにつれ、どんどんリアルに思い知るという感じでした。
── 容姿がコンプレックスになって、ご自身の性格に変化はありましたか?
足の裏さん:不思議なものなんですけど、男の子たちに顔のことでからかわれたりしても「目が小さい=悪いこと」とは、当時も今も別に思ってはないんですよ。個性というか。「ブス」と言われても、「ブスだから何?」って感じだったんですよね。
── 強い…!
足の裏さん:小学校でいじめにあったりもしたんですが、それほどつらく感じるタイプじゃなかった。ボスの女の子が順番にいじめていく、みたいなクラスだったんです。だから順番が回ってきても「上履き隠されたけど、まぁどっかにあるでしょ」みたいな感じで。主犯格の子たちにはそれがおもしろくなかったようで、いじめの時期はわりとすぐに過ぎ去りました。だから、容姿をバカにされても、当時は「私はどうしてこんなに目が細いんだろう」とか悩んだりすることはなかったんです。そういうスタンスだったので、性格的に周りとくらべて落ち込むこともなく。むしろ大人になってから目の細さを気にするようになり、メイクを頑張るようになりました。