借金を残して消えた母…窮地を救ったのは不動産屋さん

── 高校時代はもうひとり暮らしをされていたんですよね。

 

足の裏さん:そうですね。高校3年生のときに母が借金を残していなくなったんです。もともとひとり暮らしするためにバイト代を貯金していたんですが、そのお金が借金返済で全部なくなってしまって。それで、施設でお世話になっていたんですが、その施設も高校3年までしかいられないと決まっていました。施設を出ないといけないのに、ひとり暮らしするお金もなくてどうしよう…と。そのときが、もしかしたら人生でいちばんどん底だったかもしれないです。

 

YouTuber・足の裏
高校生時代の足の裏さん。ギャルのクラスメイトからメイクを学んだそう

── それは大変でしたね…。その後は、どうなったんですか?

 

足の裏さん:未成年だったので、不動産屋さんを何件回っても「親の承諾が必要」と言われてしまって。「親はいないんです」と説明しても「じゃあ無理だね」と門前払いでした。ただ、高校卒業後の内定先は決まってたんです。だから、仕事はあるけど住むところがない、という状態でした。

 

そのときに、今でもおつき合いをさせてもらっている、気のいい不動産屋さんにめぐりあえたんです。その方は「何かあったんだね」と察してくれて、高校生の私に家を貸してくれたんですよ。何かあったら困るのは自分なのに、私を信用してくれて。おかげで家を借りることができました。引っ越し代も国が支援してくれて助かりました。税金をたくさん使っちゃって申し訳ないんですが…。

 

── そういうときのために福祉があります。いい方に出会えて本当によかったですね。

 

足の裏さん:いろいろな方々に感謝ですね。今思うと、そんななかでも次の日には学校やバイトが普通にあったのも、逆によかったなと思います。当時はさすがに自分の家庭がおかしいというのは認識していたんですけど、それを友達に話すこともなかったので。普通に学校があって、授業を受けて、いつも通り楽しく笑って。私、友達からも「悩みなさそうでいいよね」って言われるタイプだったんですよね(笑)。

 

学校にいるあいだはみんなに心配かけないように笑っていないといけないし、バイトに行けば笑顔で接客しないとお客さんに失礼だし。そうやって笑って過ごしている間にイヤなことが忘れられたんです。そういう当たり前の日々が用意されていたからこそ生きていけたのかなって思います。