2024年に第1子を出産した元宝塚歌劇団雪組の娘役トップの愛原実花。舞台に向けて仕事復帰するも「うちの子、どうしているだろう…」と、つい子どもの顔がよぎってしまうことがあって── 。(全2回中の2回)

本来、楽天的な私のはずが 

愛原実花
妊娠中に外出したときの1枚

── 2024年に第1子を出産されました。この1年を振り返っていかがでしたか?

 

愛原さん:毎日がバタバタで、あっという間の1年でしたね。初めての育児はわからないことだらけで「これでいいのかな…」と日々迷ったり、悩んだりしています。いろんな子育て情報が溢れる時代だからこそ、調べれば調べるほど正解がわからなくなって、余計不安になることも。今後、起こることに対して想像力が悪い方向に向かってしまい「子どもに何かあったらどうしよう」と考えてしまうんですよね。子どもが転倒してケガをしないように、家のなかのあらゆる角にシートを貼ったりして、安全対策をしまくっています。できれば、ヘルメットをかぶせて、防護服を着せておきたいくらいです(笑)。本当は、子どもが元気に育っていることに日々感謝をしながら子育てを楽しみたいのに、現実はなかなかそうはいかず、自分を責めてしまうことが多いです。

 

── 初めての子育てはいろいろと不安ですよね。育児を楽しむ余裕なんてないという方がほとんどだと思います。

 

愛原さん:本来、私は楽天的な性格なはずなのですが、子どもが生まれてからは転ばぬ先の杖を考えすぎて、自分でも驚くくらい心配性になってしまって…。ただ、産後の女性は、ホルモンバランスの乱れで精神状態が不安定になる「ガルガル期」があると聞くので、子どもを守ろうとする母親の防衛本能で過剰になっている時期なのかなと思っています。

 

── 4月には、出産後初となる『アニー』の舞台が控えています。いよいよ子育てとの両立生活が始まりますが…。

 

愛原さん: 子どものころから大好きでずっと憧れていた『アニー』の舞台で復帰をさせていただけることがうれしくて、今からすごくワクワクしています。ただ、仕事中は子どもと離れることになるので「自分がいないときに何かあったらどうしよう」と、稽古に入る前にはいろいろ不安がありました。夫や夫の両親、実家の母などの家族の支えがあり、安心して仕事に向き合える恵まれた環境ではあるのですが、思いきり舞台に没入したいという思いと、子どもを置いていく不安とで、気持ちが揺れることもあり、なかなか大変でしたね。

 

芝居のなかで、「ママ~、ママ~」と子役が泣くシーンがあるのですが、妙に感情移入してしまい、毎回号泣してしまうんです。そのたびに、「うちの子、どうしているだろう…」と、つい子どもの顔がよぎってしまいます。復帰直後のママたちは、みんなそうした気持ちを抱えながら仕事をしているんだなと思うと、あらためて世の中のママたちはスゴいなと尊敬しますね。

 

ただ、「心配しすぎるのもよくないな」と最近になって少しずつ思えるようになりました。