手術前の検査で「新たながん」が発覚

京子スペクター、デーブスペクター
手術前日の病室にて

── その後の治療の経緯について教えてください。

 

京子さん:乳がんだとわかった後は、「どの病院で治療を受けるか」で悩みました。近くの総合病院を選ぶのか、がんセンターなどのがん治療を専門とする施設を選ぶのかなど、選択肢は複数ありましたが、夫や知り合いにも相談した結果「通いやすさ」を重視して病院を決定しました。

 

また、手術前に改めて検査を受けたときに「左胸の影」についても調べてもらったところ「生まれたばかりの、ステージ0のがんがある」ということがわかりました。

 

── 左右にがんがあることがわかったのですね。乳がんの治療はステージや転移の有無によっても変わってくるかと思いますが、京子さんはどのような選択を?

 

京子さん:左右両方の胸を全摘出することを決断しました。先生からは「乳房を温存する方法もある」と説明を受けましたが「全部とってしまったほうが安心する」という理由で迷いなく全摘出を希望。「摘出後に乳房を再建することもできる」と言われましたが、人工物を体に入れることに抵抗がありましたし、再建のために手術時間や入院期間が長引くことも嫌だったため「再建はしない」と選択しました。

 

── 手術や治療の説明は、デーブさんと一緒に聞いたのですか?

 

京子さん:そうです。「悪いところを取れば治る」と私は楽天的にとらえていましたが、夫はがんについて調べ尽くしていたので、治療方法や手術後の経過などについても先生に質問したり、細かく確認してくれていました。夫が詳しく情報を集めてくれていたので、心強かったです。