細木数子さんから六星占術を継承し、占い師として活躍する細木かおりさんは、実母の姉である数子さんを「ばあば」と呼び、幼いころから慕ってきました。やがて、かおりさんが中学生になると、数子さんからお見合いを勧められるようになり── 。(全3回中の2回)
中学生のころから始まった「お見合い」に困惑

── かおりさんが大人になってから数子さんと養子縁組をして「母と娘」になったそうですが、学生時代はどのような関係でしたか?
かおりさん:私が中高生のころは、母(数子さん)とは別々に暮らしていましたが、電話をしたり食事に出かけたりと、いい関係が築けていました。ただひとつ、嫌だったのが中学生のころから始まった「お見合い」です。母の知り合いの息子さんなど、さまざまな肩書きの男性を紹介されて…。もちろん母も一緒に立ち会ってくれていましたが「いったい何がしたいんだろう?」と疑問に感じていました。
── かおりさんに早く結婚してほしかったのでしょうか。
かおりさん:そうだと思います。自分が結婚して家庭を築かなかったことを後悔していたからか、私に対して「早くに結婚してほしい」と希望していました。母はよく「人の基盤は、生活や家庭の中にあるもの」と話していたので「仕事に打ち込むのは家庭を築いて子育てをひと段落してからでも遅くない」と考えていたんだと思います。
── 数子さんの行動に対して、実のお母さんはどのように受け止めていましたか?
かおりさん:実母はお見合いに賛成していました。私と実母は、子どものころから折り合いがあまりよくなかったこともあり「早く家庭を持って自立してほしい」という気持ちもあったように思います。
── 数子さんはどのような視点で紹介する男性を見極めていたのでしょうか。
かおりさん:高学歴の男性や、大手企業に勤めている男性が多かったのですが、母が重視していたのは、「そこに辿り着くまでにどのような努力をしてきたか」というプロセスでした。「何らかの目標に向かって成し遂げられる人」かどうかを判断して、私に勧めていたんだと思います。