テレビ番組「ぐるナイ おもしろ荘2018」に出演して一気にブレイクを果たしたひょっこりはん。しかし、キャラを模索している最中、予想外に早い段階で売れてしまったことで、歯車が大きく狂い始めていきます。(全3回中の2回)
突然のブレイクで「全然ひょっこりしてなかった」

── 2016年にお笑いコンビ「ダイキリ」を解散すると、ピン芸人「ひょっこりはん」として活動していきます。その後、「ぐるナイ おもしろ荘2018」に出演。ひょっこりはんさんの知名度が一気に上がり、急激に忙しくなったそうですね。
ひょっこりはんさん:それまで僕の名前がメディアに出ることってほとんどなかったけど、露出が一気に増えていきました。仕事が増えたのはもちろんうれしいですし、皆さんに認知してもらえることはありがたいんです。でも、自分としては予定より早く売れた感じで、正直、あと1年は欲しいなと思っていたんですよね。
── 準備期間にどうして後1年必要だったんですか?
ひょっこりはんさん:ピン芸人になってから「ひょっこりはん」の芸名を考えましたが、キャラはまだまだ模索中だったし、ピン芸人としての経験も浅かった。そのため、番組が求めているひょっこりはんの出し方と、僕がイメージするひょっこりはんの出し方が微妙にズレてしまうことが。ひょっこりはんって木の影からひょっこり顔が見えたり、窓の外から顔がスッと見えてクスッと笑えるような雰囲気を出したりしていますが、番組の収録中、ひな壇にずっと座っていたら全然ひょっこりしてないじゃないかっていう(笑)。各番組からいろいろなひょっこりバージョンを求められていきましたが、全然ネタが追いついていなかったし、もっと「ひょっこりはん」のキャラクターを強化したいのに、ロケに行って食べ歩きながら爽やかにしゃべっているとか。自分が目指す方向が曖昧になってしまい、仕事が増えてもどこかモヤモヤしていましたね。
── 当時、ブレイクしている芸人として呼ばれることが多かったそうですね。
ひょっこりはんさん:「この芸人さんがおもしろいからオファーしよう」じゃなくて、ブレイクしているからとりあえずスタジオに呼んだ、みたいなことはよくあったと思います。僕自身、露出が一気に増えてもすぐに飽きられるだろうし、ほかのこともやっていきたいと思いましたが、何を残して、何をたすか。常に考えながらやっていたつもりですが、答えがなかなか見つからなかったですね。正直、今も何が正解なのかよくわかっていないんですけど。