現在、海外を旅しながらアーティスト活動を行っているAAAメンバーの與真司郎さん。2023年7月に開催したファンミーティングでは、自身がゲイであることをカミングアウトしました。第一線で活躍するなかで「自分がおかしいのか」と自身を責め続けていたと話す與さんに当時の気持ちを詳しく伺いました。(全4回中の2回)

自分の経験を、今同じつらい状況にいる人に伝えたかった

── 與さんが大勢のファンの前でカミングアウトされた様子は、広く中継され、現在も公式サイトから視聴することができます。與さんが「自分がおかしいのか」と長い間思い悩んでいたというお話を聞いて、胸が苦しくなりました。

 

與真司郎

與さん:僕は昔から隠しごとができない性格なんです。人と接するときはいつも、自分の意見や気持ちを少しでも理解してもらえたらいいなと思っていて。だから、長い間「自分はこのままずっと、本当のことを隠して生きていくのだろうか」と鬱々としていました。自分の中で、ウソが積み重なっていく感覚が拭えなくて…。

 

でも、日本も含めアジアでは、アーティストや芸能人がカミングアウトすることってあまりないじゃないですか。だから本当に長い間悩んだし、直前まで不安でいっぱいでした。

 

── ステージ上で涙を流された姿も印象的でした。

 

與さん:本当に怖かったんです。ただ、カミングアウトはしたけれど、僕は日本の現状を変えたいという大それた気持ちがあったわけじゃないし、ヒーローになりたかったわけでもなくて。自分が葛藤していたからこそ、カミングアウトすることで、自分が経験したつらいことを、今まさに同じ思いを経験している人たちに「あなたはひとりじゃないんだよ」って伝えて、生きる勇気を届けられたらいいなと思っていました。もちろん自分のためでもあったのですが。

 

與真司郎
ファンミーティングで、大勢のファンを前にカミングアウトした

今、世界ではいろんな人がカミングアウトしていますが、日本やアジアでももっとその動きが広がるべきだと思っていて。2016年にロサンゼルスに移住して、いろんな人とつながっていくなかで、自分が「ひとりじゃない」と自信が持てたことがきっかけで、カミングアウトする覚悟を持てた気がします。