「ボランティアの日」を希望
── 2025年は芸能生活45周年という大きな節目ですが、この先の展望について最後に教えてください。
コロッケさん:芸人としての大きな目標は、ジャパンエンタメを盛り上げること。僕のようなものまね芸人ではなく、マジックや風船、ジャグリング、ダンスなどのパフォーマンスをやる人たち全部をひっくるめたエンタメ集団を集めたフェスを企画したいなと思っています。最近のエンタメは細分化が進んで「ファミリーで一緒に楽しむ」ようなエンタメがどんどん減ってきていますよね。でも僕はやっぱり芸人として、子どもからお年寄りまで喜んでいただける娯楽を大事にしたいので、そういうエンタメの形を作っていけたらと思います。
個人としては「ものまね笑語」にさらに力を入れていきたいですね。これは古典落語の配役を、僕がものまねで割り振って演じるものなのです。たとえば父親役が田中邦衛さん、母親役が淡谷のり子さん、子ども役が志村けんさん、という配役で落語の「初天神」を演じるという芸なのですが、45周年コンサートではおかげさまですごく評判がいいんですよ。
それとは別で、もうひとつの大きな夢は「ボランティアの日」を国が制定することです。国民の祝日のように「ボランティアの日」ができれば、芸能人からスポーツ選手、民間企業まであらゆる人たちが協力し合ってできることが広がるはず。そのために僕ができることはまだまだあると思っているので、いろいろと仕掛けていきたいですね。
PROFILE コロッケさん
ころっけ。1960年、熊本県出身。80年、NTV「お笑いスター誕生」でデビュー。300種類超のものまねレパートリーを誇り、ものまねタレントとして芸術文化の振興に貢献したと功績が認められ、2014年に文化庁長官表彰、16年に日本芸能大賞を受賞。芸能活動のかたわら、震災被災地や子ども食堂の支援活動も精力的に行い、12年には防衛省防衛大臣特別感謝状を授与される。
取材・文/阿部花恵 写真提供/コロッケ