腎機能の悪化で「透析か移植か」を迫られて
── ようやくダイエットが成功し、奥さまとしてはひと安心といったところでしょうか。
小錦さん:そう思っていたら、今度は腎臓を悪くしてしまって。尿酸値を下げるお薬を飲みながら仕事をしたり、騙し騙しなんとか生活を続けていた感じでした。それでも具合が悪くなることが年々増えてきていました。腎臓の悪化で、心臓にも負担がかかっていたようです。あるとき心臓が苦しくなって、病院に行ったら「このままでは心不全を起こしますよ」と言われて即、入院となりました。腎機能もかなり悪い状態で、「このままいくといずれ移植手術か人工透析をすることになります」と、お医者さんから言われました。それが7、8年前だったと思います。
── 腎機能の不具合は生活習慣病のほか、遺伝という説があると聞きます。
小錦さん:夫の亡くなった母親も人工透析を10数年間続けていたり、腎臓が悪い方が家族に多くいたので、やはり家系的なものがあったのかもしれません。何より忙しく働きすぎたのだと思います。仕事で海外に行くことが多く、体に負担がかかっていたのでしょう。
昨年、仕事でアメリカに行ったとき、現地でものすごく具合が悪くなってしまって。あわてて病院へかけ込んだら、心臓と肺に水がたまっていたようです。「このまま飛行機に乗ったら死にますよ」と言われ、そのまま入院することになりました。10日間ほど入院生活を送り、水を抜いてもらったことで、なんとか帰国はできましたけど。腎機能も悪化した状態でした。「これは本当に命に関わる」と言われてしまって。もう透析か移植に踏み切るしかない。そこで、私の腎臓を移植しようと考えました。
── とても大きな決断ですが、KONISHIKIさんの反応は?夫婦で話し合いはされましたか?
小錦さん:最初、夫は私から腎臓を提供されることにすごく抵抗があったらしく、悩んでいた時期がありました。そのうえ、私の母が手術に反対していて。やっぱり腎臓をあげるとなると、娘の体に何か問題が起こるのではないかと心配だったようです。そうなると余計に夫は気が引けたようで、「手術はやめよう、自分が透析をすればいいから」と。お互いナーバスになって、口をきかなくなってしまったりもしましたね。何が本当に正しいのか、どうしたらいいのかわからなくなって、すごくつらい時期でした。
最後まで悩んでいたのは夫のほうでした。「もうやらなくていいよ」と言っていたのを、私から「いいからやろう!」と言ったくらい。夫が折れかけていたので「手術をしよう」と、最終的には私が押しきりました。
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移植手術は順調に進み、夫婦ともに今に至るまで体調は良好のようです。しかし、術後の記者会見による突然の報告には驚き、KONISHIKIさんの身体を心配した人は少なくなかったのではないでしょうか。会見はKONISHIKIさんの希望。移植によって普通の生活に戻れることを知ってほしいという気持ちの表れだったそうです。
PROFILE 小錦千絵さん
こにしき・ちえ。1月7日生まれ。東京都台東区出身舞台芸術学院ミュージカル科卒業。KONISHIKIの妻であり、会社の代表でもある。シンガー、フラダンサーとしても活動。現在はハワイアンライブ、イベント出演、KONISHIKI BBQイベント開催、CM・TV出演、フラワークショップを不定期にて開催している。