夫や妻に自分の2つある腎臓の片方をためらわずに、あなたはあげることができますか?現実に直面したら即断なんて難しそうですが、小錦さんの妻・千絵さんは夫よりも強い意志で腎臓提供に踏みきりました。(全4回中の1回)
「意外!」夫のご飯はお茶碗2杯くらい
── 元力士でタレント・KONISHIKIの妻であり、シンガー・ダンサーとしても活躍する小錦千絵さん。KONISHIKIさんは現役時代、角界最重量記録を打ち立てました。当時は285キロあったそうですね。

小錦さん:私が出会ったときはもう300キロあって、飛行機に乗るときは座席を2席分を確保する状態でした。でも食べる量としては、それほどでもないんです。私も最初は「どのくらい食べるのかな」と思っていたけど、ご飯はお茶碗に2杯くらい。あぁ、これくらいなんだって、逆にビックリしました。大食いの人の方がよっぽど食べると思います。食事は基本1日3食です。ただ、それ以外につまみ食いをすることが多くて。チーズやスナックが大好きで、そういうものを食事以外にちょこちょこ食べている感じです。
── もっとめしあがるのかと思いきや、意外です!
小錦さん:そうなんです。だからこそダイエットが難しくて。食事制限をしたことはあります。仕事のつき合いで外食が多かったので、家では野菜を多く、メインは魚にするなど、なるべくヘルシーな料理を心がけていきました。ただ、夫は和食が好きで、とくにお米が大好き。炭水化物とはいえ、どうしてもお米は我慢できないんですよね。我慢している姿を見ていると、私もなんかちょっとかわいそうになっちゃって。

それに現役を退いてからは運動があまりできない状態だったので、やせにくい面がありました。現役時代にケガしたところがあちこちあって、動くと痛みが出てきてしまうんです。ダイエットのためにトレーニングをしたこともありましたけど、体中がボロボロなので、なかなか続けられませんでした。
「休んだら皆に迷惑が…」悩む夫の背中を押して
── 元力士ならではの悩みですね。
小錦さん:「やせなきゃ」と言っては、あらゆるダイエットを「試して、失敗して」の繰り返し。タレントとしてのキャラクターもあるので、このままのほうがいいのかなと思うときもあって。でも体のためにはやせたほうがいいし…と葛藤していました。
結局、ダイエットでやせるのは難しい、胃の手術をしようということに。あまりたくさん食べられないように、胃を小さくする手術です。手術するにあたっては、一時的に仕事を休むことになるので、タレントであり自分の会社を持つ彼は、従業員のお給料が払えなくなると悩んでいました。でも、体のほうが大切です。「お金がなければハワイの家を売ればいい」と言って、背中を押しました。

15年前にハワイの病院で胃の手術をして、実際100キロ近く落としたことがあります。でも、どんどんやせていくから、今度はそのぶん皮膚がだらりと余ってしまって。重いし歩くとき邪魔になるということで、余分な皮膚を切除する手術もしています。