放送の裏側ではママチャリをかっ飛ばし

小倉弘子と長男
2018年5月、育休中は、ほぼこのソファで過ごした

── 世の働くママにとって、お仕事と子育ての両立は大変です。小倉さんはどのようにこなしていらっしゃいますか?

 

小倉さん:やはり子どもの体調が悪いときなどは、どうにもならないことがありますよね。基本、そういう場面にはフットワークのいい父(祖父)が見てくれたりもしましたが、それも頼めない、手の打ちようがないというときがあって。私は『ひるおび!』の仕事で会社に娘を連れていったことが2回ほどあります。もう本当にどうしようもなくなって、現場に連れていきました。スタッフがアンパンマンのぬり絵を買って来てくれて娘をみていてくれたこともありました。本当にありがたかったです。

 

長女は認証保育園と幼稚園の両方に通う、リレー保育をしていたんです。認証保育園だけでもよかったのですが、通っている子が少なく、お友達がどんどん入れ替わっちゃうんですよね。その状況は好ましくないかなと、幼稚園とのリレー保育に踏みきりました。昼間は幼稚園、午後から認証保育園へと行くわけですが、園バスが来るタイミングに会社を私用外出し、長女を受け取り自転車に乗せて保育園へ連れていき、お迎えは夫がという生活でしたね。

 

── 何事もなかったように放送をこなしている裏側で自転車を飛ばしてママ業をこなしておられた小倉さんが想像できない方も多いのではないでしょうか。ひとつズレると大変なスケジュールでしたね。

 

小倉さん:本当に(笑)。3人目の長男は初めて認可保育園だったんです。上の2人は「不可」の通知を受け取り、入れなかったので、3人目にして初めて行けることになり「おお!」と歓喜しました。

 

小学校に行った今でもママ友が声をかけてくださるんですけど、本当に保育園の保護者仲間には助けられました。感謝しかありません。仕事で行けない集まりとかでも「いいよ!預かるよ」って言ってくださったり、「ご飯も食べさせといていいかな?」とか「プールに入れちゃってもいい?」とか、本当に息子が喜ぶことをいろいろとしてくれて。ママ友は共通項が子どもですから、子どもたちが楽しければ私たちも楽しいという同じ気持ちでいる仲間に恵まれて本当にありがたかったです。先日退社の折に、そんな仲間からお花をいただいて、感動して泣いてしまいました。

 

小倉弘子と長男
2023年11月の長男七五三で。「あとで抱っこギューしようね」とささやかれて

── 子育てと仕事の両立にママ友の存在は大きいですね。上のお子さんたちも大きくなられて子育ての段階も違うものになった感じでしょうか?

 

小倉さん:そうですね、今いちばん上が高校2年生で、毎朝6時前に起きてお弁当を作っています。長女が登校すると次女、長男が起きてくるので、お弁当と並行して朝ごはんを準備するんですけど、みんな食べたいものが違うんですよね。長女なんかは夜のうちに「朝6時15分 納豆ご飯」と、翌日の起床時間と食べたいものをLINEしてきますし(笑)。でも、それでスムーズに朝の準備ができています。

 

上の子は塾と部活があるので帰宅が21時を過ぎる日もあったり、次女は部活で18時くらいに帰宅したり、家族で晩ごはんの時間がバラバラになってしまう日も増えました。成長を感じるところですが、一方でまだ小学1年生の長男は毎朝起きてくると大きなハグをするのが日課で、かわいくて癒やされています。

 

PROFILE 小倉弘子さん

おぐら・ひろこ。元TBSアナウンサー。東京都出身。1974年9月4日生まれ。1997年にTBS入社。『お天気クジラ』『おはようクジラ』『はなまるマーケット』『ひるおび!』『筑紫哲也 NEWS23』などに出演。ラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の火曜パートナーでも活躍。TBS最後の日2024年大晦日の放送も務めた。同期は安住紳一郎アナ。プラベートでは、夫は元サッカー選手でスポーツキャスターの水内猛さん。高2、小6、小1の3児のママ。

取材・文/加藤文惠 写真提供/小倉弘子