63歳を迎えた斉藤慶子さんですが、デビュー以来、仕事を休んだことは1回だけしかなかったそう。長いキャリアを築いていられたのは、その健康管理にも秘密があったようで。(全4回中の4回)
仕事と子育てに追われた30、40代を振り返ると

── 大学生のときにJALのキャンペーンガールに選ばれて芸能界入りし、30、40代のころは仕事と子育てに追われていたかと思います。当時の生活と比べて、今の生活はいかがですか?
斉藤さん:今、充実していますよ。娘は就職して夫とふたりで暮らしていますが、年齢によってそれぞれ楽しい時間があると思うんです。仕事をたくさんしていたときはもちろん楽しかったし、いろいろな人に会って撮影したり、スタジオに行ったり、ロケに行ったりしながら、忙しいなりに充実した時間だったと思います。いっぽう、家のことをやっている時間も好きなんですよ。今は多忙だった時期に比べたら仕事も生活も落ち着きましたが、室内で犬を3匹飼っているので、仕事をしつつ、犬のお世話をしていると、あっという間に時間が過ぎますね。
── 斉藤さんは地元・宮崎からのお友達がたくさんいらっしゃると伺いました。それぞれ環境やライフスタイルが変化する中で、どのように関係を維持しているのでしょうか。
斉藤さん:学生時代、心が柔らかい時期に過ごした友達とは、今でも会うと安心するんです。間が空いても会った瞬間あのころに戻れるというか。もちろん、それぞれ環境は違いますけど、自分自身の気持ちの持ちようというか、自分が大切な友達だと思っているから自然と大事にしているのかもしれないです。お仕事の話をする友達もしない友達もいますが、話す内容が変わっても根底には大事な友達だということは変わらないかな。
── 華やかな世界に身を置くと、なかには周りが見えなくなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。斉藤さんがそうならなかったのはは周りの方々の影響でしょうか?
斉藤さん:周りの影響は大きいですよね。信頼できる人がいるかどうか。気持ちを打ち明けられる人がいるかどうか。私は仕事も忙しかったけれど、家族や友達、それぞれ違う世界があるから豊かな気持ちでいられたんだと思います。たとえば、55歳のときに慶應義塾大学の大学院に入りましたが、もちろん学びたいことがあって学校に通ったんですけど、失敗しても帰ってくる場所があったから新しい世界に飛び込めた部分もあります。入ってみたら実際、楽しかったですし。