60歳を迎えた際には30年振りの撮影にも挑んだ斉藤慶子さん。娘さんが自立し、生活も落ち着いた今、「もともと料理が得意じゃなかった」と語る斉藤さんの日課とは。(全4回中の3回) 

夫に「見ればわかるでしょ」と(笑)

斉藤慶子
食事を食べるは好きだけど、作るのは得意じゃないと語る斉藤さん

── 2011年に再婚されて14年目。今は旦那さんとふたり暮らしをされているそうですね。改めて旦那さんについてどう思いますか?

 

斉藤さん:人間性が豊かで信頼できるし、昔も今も、みんなから慕われて人望が厚い人ですね。一緒にいて、より自分らしくいられるので、いい意味でラクです。

 

── より自分らしくとは、どういうことでしょうか?

 

斉藤さん:たとえば大人になると、どうしても人に気をつかったり、言葉を選んだり、考えながら行動しますよね。でも、子どものころの素朴さとか無邪気さをフッと思い出すような、素の自分でいられる心地よさがあるんです。年齢が14歳離れているからか、何を言っても受け止めてくれる器の大きさがありますし。ケンカはほとんどないですね。たまに気まずい空気になりそうになっても、飼っている3匹の室内犬がいい具合にやってきてなごませてくれます(笑)。

 

── 旦那さんも犬も、ありがたい存在ですね。

 

斉藤さん:ただ、この前、犬のうんちの処理をしているときに、夫が後ろから「なにやってるの?」って話しかけてきたので、「見ればわかるでしょ」ってちょっとイラッとしたことはありましたけど(笑)。それくらい。しゃがみながら後ろを振り返るのって大変だから。でも、夫は私と再婚するまでたぶん犬を飼ったことがなかったし、特に好きでもなかったと思うんです。今は歯磨きをしてくれたり、私より主人の方が可愛がってるかも(笑)。

 

── 料理に関してはいかがですか?以前、斉藤さんは料理が得意ではないとおっしゃっていましたが、再婚後はいかがでしたか?

 

斉藤さん:今も苦手ですね。もともと夫は会食が多くて家でゆっくり食べる時間が少なかったんです。結婚当初は簡単なものや、クックドゥに頼ってチャチャっと作れるものを出していたことがありましたよ。でも、夫は凝った料理を求めてないし、ご飯と納豆とかで大丈夫だって。結局、会食が多いから作らなくてもいいと言われたので、今はそこに甘えています。

 

言い訳っぽいですけど昔、料理教室に通った時期もあるんですよ。料理教室って、先生1人に生徒たちが4、5人のグループを作ってみんなで料理する教室もあると思うんです。でも私が通った教室は、先生とアシスタントの方がみんなの前で料理をするデモンストレーションのような感じで、先生たちが作っている様子を7、8人の生徒が「すごいなぁ」って言いながらメモして、最後に試食をしていました。勉強とか、学ぶことは好きなので「なるほどなぁ」と見ているのは楽しいんですけど、「結局、作らないだろうなぁ」と思ってしまって、やっぱり家に帰った後も作らなかったです(笑)。食べることは大好きなんですけど、料理をすることに喜びを感じることは少なかったですね。

 

── 今はほぼ外食ですか?

 

斉藤さん:そうですね。昼は自分のために簡単なものを作って食べますが、夕ご飯はほとんど外食です。若いころからそうですが「今晩、何食べようかな」って朝から考えるのが好きなんですよ。お酒も好きだし、いろいろなお店を調べるとか、新しいお店ができると足を運ぶのも楽しくて。今は、ほとんど決まった店に行くことが多いです。自分が好きな席があって、そこからお客さんが楽しそうにしている様子を眺めたり、従業員の方とお話ししたり、店で流れる空気感が好きなんですよね。