子宮筋腫と同時に更年期症状、コロナにも感染し

── 精神的にも安心しますね。50歳で子宮筋腫の手術をされましたが、40代後半には子宮筋腫と同時に更年期症状も出ていたとか。
鈴木さん:40代前半はメンタル的につらかったです。離婚はするし、子宮筋腫もあったし、気持ちのアップダウンが激しくて(笑)。40代後半は更年期症状が出たのがちょうどコロナ禍だったから、仕事はほとんど支障なく済みましたが、家にいても全然動けなかったですね。だるかったり、眠かったり、布団から出られなくて。ホットフラッシュの症状も出ていたので、睡眠中も暑くて汗ビシャで布団を蹴っ飛ばしていることがしょっちゅう。更年期症状が出ているときにコロナに罹患したので、コロナとホットフラッシュの症状がダブルで来たときは、しんどかったですね。同世代で更年期症状になっている友達とも、「しんどいねー」「もうダルいから何もしなくていいよ」って電話でよく話しながら、お互い励まし合っていました。クリニックの先生にも相談しましたね。今は筋腫も取ったし、更年期症状も落ち着いたので、過ごしやすいです。
── 心身ともにつらかった40代と比べて、50代になった今はいかがですか?
鈴木さん:すごくいい!50代、最高ですよ。40代よりははるかに精神的に落ち着いて、体調も安定しています。ただ、とても痩せにくいのでダイエットは常にしています。自分の体のことを大切に思う機会も増えました。20、30代のころは今よりも未熟でイライラすることが多かったんですけど、50代になった今は、身体のことを考えつつ、自分のことは自分で満たすような選択をしつづけられるようになって毎日が本当に穏やかです。
── ちなみに、なぜか年齢が若いほうがいいという風潮や、年齢を重ねることに不安を感じる人もいますが、鈴木さんはないでしょうか…?
鈴木さん:不安が全然ないというより、若くなりたいとは思わない。単に「若い」のと、「若々しさ」は違うので後者を目指します。今が充実して、目の前のことを楽しんでいると好奇心も枯渇しないと思うんです。大地真央さんや石田ゆり子さん、他にもたくさんの先輩たちを見てもすごく輝いていて、本当に素敵ですよね。いいことも辛いこともすべて、人生を楽しんでいらっしゃるからだろうなって思います。
私も、今までいろいろな経験を積み重ねてきた結果、自分もずいぶん頑張ってきたよね?って、自分で自分を労わることができるようなって本当によかったです。もしこの先不安なことが起こったとしても、自分はこれからどう生きたいか、どんなふうに過ごしていきたいかと、どんなときもまず自分に訊くと、いい風が吹くのだと思います。
PROFILE 鈴木砂羽さん
すずき・さわ。1972年生まれ。静岡県出身。94年、映画『愛の新世界』で主演デビューし、ブルーリボン賞など各新人賞を多数受賞。テレビ朝日の人気ドラマ『相棒』シリーズに出演するなど、ドラマ、映画、バラエティーほか、幅広く活躍中。
取材・文/松永怜 写真提供/鈴木砂羽