「絶対にこの日の病院へ行かなくてはいけない」

── 芸人として活動しながら不妊治療を始めたんですね。
高田さん:そうです。当時はけっこう忙しくて、地方に営業に行くことも多かったのですが、不妊治療のためには必ず決められた日に病院へ行かなくてはいけないわけです。でも、そのころのマネージャーさんは不妊治療に詳しいわけでもなかったので「絶対にこの日に病院へ行かないとあかんの?」と言われたりするのが、もどかしくて悲しかったです。いつ妊娠できるかというゴールが見えないのもつらかったですし…。2年くらいはそんな生活で、途中で病院を変えたりしながら不妊治療を続けました。おかげさまで長男を授かることができ、2019年に出産しました。
── 相方の小森さんには相談されていたのですか?
高田さん:はい。小森は私より先に結婚して出産していたのですが、彼女も卵巣機能の治療を受けていた時期があり、相談すると寄り添ってくれました。一緒に病院探しもしてくれましたし。やはり女性の体のことは女性同士じゃないとわからないことも多いし、そこは相方でありながら同級生、友達として何でも話せて心強かったです。
── 2023年に2人目を出産されましたが、その際も妊活されたのですか?
高田さん:そうです。次男は41歳で授かったのですが、また採卵からのスタート。長男を産んだときから卵子が若返っているわけではないので、ちょっと難しいかもしれない、という気持ちもありましたが、前向きに頑張ろう!と不妊治療に挑みました。当時はコロナ禍で、病院に長男を連れていけないのに一時保育も制限がかかっている状況で…。夫も営業やロケに出ていることが多かったですし、預け先探しに苦労しました。第2子の妊活は、仕事だけでなく子育てをしながらになるので「絶対にこの日に病院へ行かなければいけない」という状況に、より追い詰められることが多かったですね。
そんななか、2人目を授かったのは本当に奇跡だと思っています。
子育てのスタートは夫への指示が多くなり反省
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── 子育てが始まってみてどうでしたか?特に最初のお子さんのころは神経を使うことが多かったのでは?
高田さん:長男に関しては、めちゃくちゃ神経質になっていました。食べ物は、添加物が入ったものを食べては絶対にダメ。常に手作りしていました。ミルクの量はもちろん、どんな小さな行動もすべてノートに記載していましたし、寝ているときも、布団が顔にかかっていないか、息をしているか心配で確認する日々。ただでさえ夜泣きで寝ていないのに、さらに睡眠時間を削ってしまっていました。
夫に対しては「手を洗った?消毒した?」などと、厳しく言ってしまって。だから長男が小さいころは2人で育児をするというよりも、私が夫に対して指示をすることが多かったのを反省しています。夫にも、「そんなふうに言われるとこっちは何も言えない」と言われたことはありました。
── お子さんが2人になり、今は少し楽しく子育てできている状況でしょうか?
高田さん:子どものこととなると特に神経質になりがちなので、常に肩の力を抜くようにと意識し始めてからは余裕も出てきて、今は毎日楽しい子育て生活を送っています。
長男が今の次男と同じくらい(1歳)のころ、大人が食べているものを欲しがったときには「こんな塩分が多いものを食べたら肝臓が悪くなる!」と思って絶対にダメとあげませんでした。次男の場合は、少しならいいか、と思えるようになりました。