相方とは「今がいちばんいい関係性」

── 相方の小森さんとの関係について伺いたいです。上京後、しばらくは相方の小森さんと同居されていたそうですね。家事の分担などいろいろと大変ではなかったですか?
高田さん:家事の分担を決めてしまうと大変かなと思ったので、食事に関してはお互い好きなものを食べることにして、掃除は気づいたほうがやるという程度のルールでした。
でも相方は部屋が散らかっていてもそんなに気にならないタイプ。逆に私はちょっと神経質なところがあって、たとえばトイレが少しでも汚れていたらすぐに掃除しないと気が済まないタイプなんです。同居していたのは2年くらいですが、同居生活の最後に小森が言ったセリフが「この家って、1回もトイレが汚れへんかったなぁ」で…。「それ、私がやってたよ」と言いました(笑)。でも、真逆の性格の2人だからうまくいっているのかもしれないです。
── 同級生の仲良し同士でコンビを組み、その後お互いピンでモノマネをするようになって2人の関係性は変わっていきましたか?
高田さん:そうですね。2人ともモノマネをするようになったのですが、小森は一般の方のモノマネをしていたので、テレビ番組やイベントの場合はどうしても芸能人のモノマネがわかりやすいし、私だけ呼ばれる機会が多くなってしまって。ですが、モノマネ番組や営業などは2人で呼んでいただいていました。「よしっ!これから頑張ろう!」というときに、なんと小森がマッチングアプリに全力を注ぐという事態に(笑)。もちろんそれは素敵なことですが、どうしても仕事に対しての温度差を感じることがあったりもしました。
── どちらかが解散を言い出したことはなかったのでしょうか?
高田さん:はっきりと解散しようと言ったことはないのですが、当時30歳で結婚を考える時期でもあり、小森の気持ちはすごくわかりました。けれど私はというと、上京したてでお仕事を頑張りたい時期で。 この先、2人の温度差にお互いがどんどん違和感を抱くことになるのであれば、それぞれ自分の気持ちを大切にして別々の道を歩んでもいいのかなあ、という話し合いはしました。 ですが、「別々の道なんて考えたことはなかったし、この先もずっと一緒にやっていきたい!」と言ってくれて。 その言葉は素直に嬉しかったし、なんだか2人の温度差が少し縮まった瞬間でもありました。 同時に小森の「芸人とマッチングアプリ」二刀流の生活が本格的にスタートを切ったのです。
── その後、お互い結婚してママになりました。現在はどんな距離感で過ごしているのですか?
高田さん:今がいちばんいい関係になっていると思います。お互い子育て優先の時期なので、何でも話せるママ友同士みたいな関係性です。たまにコンビの仕事で会うときは、子どものことや近況をぶわーっとしゃべっています。ついこの間も小森が子連れでわが家に泊まりに来ていたんですよ。お互いの仕事に対するモチベーションも同じくらいですし、向いている方向が一緒になったと思います。
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PROFILE 高田紗千子さん
たかだ・さちこ。1981年京都府生まれ。2000年に高校の同級生・小森麻由とコンビを結成し、松竹芸能に所属する。菅野美穂、安めぐみ、井森美幸など多数のモノマネレパートリーを持つ。2017年、なすなかにし・中西茂樹との結婚を発表。2019年に長男、2023年に次男を出産。近年は夫婦でテレビ番組に出演することも増えている。
取材・文/富田夏子 写真提供/高田紗千子