いざ直面すると知識よりも急が先に立ち
── 熱性けいれんは発症すると意識障害などの症状があらわれると聞きます。母親としては心配ですね。
酒井さん:1回目にけいれんが起きたときは、「♯7119」の救急相談に電話をかけて、救急車を呼んだほうがいいかどうか判断をあおぎました。相談員の方に「声をかけてみてください」と言われ、呼びかけはしたものの、意識が戻っているかどうかはっきりしない。そう伝えたら、「じゃあとりあえず起こしてみてください」と言われたけれど、なかなか起きてくれません。けいれん中に嘔吐していたので、シャワーで汚れを落としながらムリに起こした感じでした。そのときはどうにか収まったけれど…。
どう対処すればいいか、知識や情報はあっても、いざ直面すると本当に焦りました。発症したときは、横向きに寝かせてからその様子をスマホで録画するようにしています。けいれんが起きている時間を計ったり、様子をしっかり確認したりするのが大事と、以前どこかで聞いたのが頭にあったので。でも、知識はあっても、焦りが先にたって見ていられないですね。「なんとかしてあげなきゃ」っていう気持ちも強くあるのだけれど。

けいれんを起こしたときは呼びかけながら、意識の確認をするようにしています。そこで意識が戻るかどうかが重要で、声をかけて戻らなければ、もう救急車を呼ぶしかありません。3回目に救急車で運ばれたときはなかなか意識が戻らず、本当に心配しました。救急隊員の方が呼びかけても、ぼーっとしている状態で、それが続くと危ないらしいので。親としては、ほんの少しの時間がすごく長く感じました。
── 焦りつつも冷静に対処されていて母は強し、という感じです。旦那さんはどのような様子でしたか?
酒井さん:1回目に発症したときは、見ていたら自分のほうが貧血でフラフラになっちゃった、なんて言っていましたね。最初の発症後、小児科にかかったけれど、そのときは「薬を使わずちょっと様子を見ましょう」ということでした。でも、ひんぱんに発作が起こってしまっているというのもあって、4回目の発症の時点で、薬で対処しようということになりました。いまは予防薬を持っているので、ちょっと安心しています。昨年、いろいろな病気に家族がかかって、本当に健康が大事だなとあらためて強く思いました。健康でないと何もできないのを痛いほど感じたので、今年1年の大きな目標は「健康でいること!」です。