12歳で唐突にひとり暮らし、生活費や家事は…

すがちゃん最高No.1
差し歯だったが、「前歯救済ライブ」を開き、お客さんに募金してもらったお金で治した

── 中学1年生、12歳のときにひとり暮らしが始まりました。生活費はどうされたのでしょうか?

 

すがちゃん:東京にいた叔母のかっちゃんが僕の郵便局の口座に生活費を振り込んでくれました。でも、毎月決まった日に決まった額を振り込むのではなく、かっちゃんが「大丈夫かな?」って思ったタイミングで振り込んでくれるんです。僕も「そろそろお金がヤバいぞ」ってなったら郵便局に行って、口座に振り込まれているかどうか確認する感じでしたね。

 

── お金がなくて不安になることはありましたか?

 

すがちゃん:不安よりも「ヤバい!おもしろくなってきたぞ」って感じですね。僕は非常に楽観的なので。水道が止まったら、川の水ならどうにか使えるかなとか。電気が止まったら、早く寝るか散歩に出掛けて夜を楽しむとか、ないならないなりにどうしたらいいか考えるんです。ただ、冬の寒さはさすがにきつかったので、暖房がつかないときはゲームを売るとか、持ち物をお金にどうにか変えられないか考えましたね。

 

── かっちゃんに連絡することはありましたか?

 

すがちゃん:ほとんどなかったですね。嫌だったんですよ、人に頼み事するのが。もともと小学生のころから人に気をつかう方だったんですけど、成長とともにさらに気をつかうようになった気がします。

 

かっちゃんが一緒に住んでいたとき、かっちゃんが夜中に通販番組を見ながら泣いてる姿を見ちゃったんです。家族のためにここまで欲しいものも我慢していたんだと思ったら、何も言えなくて。それ以降、ますます人には頼らないようになったし、感情も抑えるようになりました。

 

たとえば、家族で回転寿司に行くとするじゃないですか。今はタッチパネルの店も多いけど、当時、タッチパネルがない店では店員さんに声掛けて「すみません、マグロ」とか言いますよね。でも、僕は店員さんが忙しそうだと言えなくて、何も頼まないままじっと席に座ってるんです。どこを見ていいかわからなかったので、ひたすら寿司職人の手つきだけ見ていて、将来、寿司屋さんで働きたい人みたいになっちゃって。今でもそうですね。居酒屋に行っても店員さんが大変そうだと声掛けられないままとかありますよ。