12歳で突然ひとり暮らしをすることになったお笑い芸人のすがちゃん最高No.1。持ち前の楽観的な性格から苦労を乗り越えてくるも、人にだけは頼れなかったと当時の心境を明かします。(全3回中の2回)

祖母との暮らしは「トイレの水を流すのは1日3回まで」

すがちゃん最高No.1
お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のすがちゃん最高No.1

── 3歳のころにお母さんが他界。小学生のころは、山形の実家に祖父母、父、叔母(父の妹)のかっちゃんと5人で暮らしていたとのこと。しかし、お父さんはほとんど家には帰ってこず、精神的支柱だったかっちゃんは、すがちゃんが小学5年生のときに東京に移住。その後、おじいさんがお亡くなりになり、おばあさんとすがちゃんの2人暮らしに。当時を振り返って、いかがでしたか?

 

すがちゃん:もともとおばあちゃんとは気が合わなくて、会話もあんまりなかったんですよ。おばあちゃんが決めたルールがどうにもきつくて。たとえば、うちは朝食にパンとヨーグルトを食べ、牛乳を飲むっていうルールがあったんです。おばあちゃんが作る朝食は、パンにマーガリンを塗ってくれるんですけど、マーガリンが薄くて微妙にテカってるくらい。牛乳を飲んだマグカップは洗い方が弱くて、水をちょろっとつける程度なので、カップの底に牛乳のカスがついてるんです。牛乳を飲むたびに歴代のカスたちがついてて気持ち悪いし、バカ臭かったんですよ。あと、水道代を節約したいのか、使い終わった食器は水で洗わずベロで舐めて食器棚に入れるし、トイレの水を流すのは1日3回まで。家計を気にしているのかと思いきや、食費を全部グミに使っちゃうとか。もう全然、理解ができなくて、自分のことは自分でやろうってなりましたね。

 

── 金銭的にも厳しい生活だったのでしょうか?

 

すがちゃん:もともと、おじいちゃん、おばあちゃんはめっちゃ貯金してたらしいんですけど、親父がどんどん借金を作っちゃったので、その返済で厳しくなったんだと思います。それでも、おじいちゃんが生きてるときはまだよかったんです。おじいちゃんが亡くなってさらに金銭状態が厳しくなって、お金がないとメンタルが荒れるじゃないですか。今思うと、おばあちゃんはおばあちゃんで相当ストレスが溜まってたんだとは思います。

 

── その後、おばあさんが施設に入居することに。すがちゃんが中学1年生のときにひとり暮らしが始まります。当時の状況について覚えていますか?

 

すがちゃん:おばあちゃんがいなくなっても、突然ひとりになった感じはしなかったんですよね。田舎の一軒家だったので、家が大きくて部屋もたくさんあって。家族がいるときからみんなでリビングに集まって団らんみたいなこともあんまりなくて、各自の部屋で過ごすことが多かったんです。おばあちゃんとふたり暮らしになっても、お互いご飯の時間が違ったし、家の中でも顔を合わせることが少なくて。

 

だから、おばあちゃんがいなくなって数日経ってから、「あれ?俺ひとり暮らし…?」って気づいた感じ。もしかしたら、おばあちゃんが施設に入居する話は聞いてたかもしれないんですけど、最後はおばあちゃんとかなり関係が悪化していたので、そんな会話もちゃんと聞いたか覚えてなくて。