俳優の仕事と子育てを両立しつつ活動中の高野志穂さん。夫で俳優の北村有起哉さんと結婚して10年。「Amazonプライム」のCMでの夫婦共演が話題になりましたが、素のおふたりはどんな関係性なのでしょうか。(全4回中の3回)

イッセー尾形と3人で共演。本番前は夫婦でコソ練も

── 夫の北村有起哉さんとの初共演は、2016年の朗読劇「逢(あ)いたくて…」だそうですね。当時の印象的な思い出はありますか?

 

高野さん:初めての共演だったので、俳優の先輩である北村が仕事をしている姿を間近で見たことがなかったんです。だから、現場でのあり方やたたずまいなどに興味津々で、盗めるところを盗もう!と思って臨みました。

 

ただ、このときはイッセー尾形さんと3人で共演できることが何より感動的で。イッセー尾形さんとの初稽古前には、2人で「絶対に間違えるわけにはいかない」って、家でめちゃくちゃコソ練をしました(笑)。そういったときには北村が的確なアドバイスをくれ、自分でも役との距離感の取り方などが一気によくなったかもって体感できた気がします。あの共演は本当に楽しかったですね。

 

舞台ではシリアスな役柄も。演技で観客を引きつける高野さん(左端)

── 2回目の共演は、神奈川県伊勢原市で開催されたお祭りのパレードだったとか。北村さんが太田道灌の子孫ということで、高野さんが北条政子役、北村さんが太田道灌役で参列されました。

 

高野さん:そうなんです。あのときは山車を引きながら街の中心地をまわったのですが、雨にもかかわらず多くの人が来てくださって。私たちは夫婦なのでいろいろと気楽でした。神楽の上に乗って観客のみなさんに手を振るときには、北村に「十二単の裾だけは踏まないでよ」って小声で注意したり(笑)。パレードの後は、ステージ上でインタビューがあったのですが、夫婦が公衆の面前でインタビューってなかなかないので、北村の親戚が会場に来てくれていて。「あ、いる!」みたいな感じで気恥ずかしかったです(笑)。