「子育てをしているよりも、これからの人生のほうが長いから」。人生100年時代、折り返しの50歳を目前に控えたつるの剛士さん。次の人生のステージに向け、走り出しています。(全4回中の4回)

次の人生のステージをいいものにするために

つるの剛士
釣り歴35年のつるのさん

── 5人の子育てに向き合いながら、芸能活動と並行して保育士の資格を取得し、その後も大学に進んで学びを深めるなど、チャレンジ精神が旺盛で、常にアグレッシブ。そのバイタリティは、いったいどこからくるのでしょうか?

 

つるのさん:よく「そんなにいろんなことをして大変じゃないですか?」と言われるのですけど、僕にとってはむしろ逆。自分に何かを課して、活動的に過ごしているほうが、心が元気でいられるんですよね。自分が置かれている立場や環境とはまったく別の世界で新しいことに挑戦すると、いろんな気づきや学びを得られてワクワクするし、頭がリフレッシュするような感覚がありますね。

 

自分の人生のステージをいくつかに分けるとしたら、この20年くらいは、家庭を支える父親としての役割を果たすことに全力を尽くしてきました。そしてようやく上の子どもたちが成人を迎える時期になり、これから徐々に巣立っていきます。そうなると今度は、夫婦2人の時間であったり、ひとりの人間として過ごす日々が戻ってくる。人生100年で考えると、子育てをしている時間より、これからの人生のほうがよほど長いわけです。ですから今、次の人生のステージに向けて、一生懸命に新たな土台作りをしている最中。これまで培ってきたものを活かしつつ、さらにブラッシュアップさせて、次の人生のステージをよりいいものにしたいなと思っています。

 

── つるのさんのチャレンジは、次の人生のステージに向けた新たな土台作りでもあったのですね。一方で、年齢を重ねると、新しいことに挑戦する勇気が出ない、一歩踏み出すことがおっくうだと感じる人も少なくありません。

 

つるのさん:新しいことに挑戦するのにためらいがないのは、芸能界という特殊な世界で活動してきたせいもあるのかもしれません。これまで、その時々に応じて、いろんなジャンルの仕事をさせていただきました。たとえば、僕の場合、俳優から始まって、深夜ラジオのパーソナリティを突然務めたり、気がついたら「ヘキサゴン」で珍回答を連発しておバカタレントと呼ばれ、そこから「羞恥心」を結成してアイドルをやってみたり、バンドを組んで音楽活動をしてみたり。一般の社会で考えたら、ジャンルを超えた転職をしまくっているわけです。芸能界というジャンルでカテゴライズしたらひとつの仕事になるのかもしれないですけど、僕のなかでは、ずっと違うことをやってきている感覚があります。新しいことに踏み出すと、新しい自分に出会える楽しみがありますね。