かつてはおバカタレントの代名詞だったつるの剛士さん。5人の子どもを育てるかたわら、実は44歳で短大に進学し、幼児教育を学んでいたと明かします。(全4回中の2回)

50歳からの人生第2ステージを考えたら

つるの剛士

── タレントとして幅広い活躍を続け、プライベートでは5人の子どもを育てるパパ。そんなつるのさんが、2022年、46歳で幼稚園教諭2種免許と保育士資格を取得されました。そもそもなぜ短期大学に入学し、幼児教育を勉強しようと思われたのでしょうか?

 

つるのさん:僕自身、5人の子どもを育てる親であり、お仕事でも、育児番組の司会やイクメンに関する講演など、子育てに関する様々な活動をさせていただいてきました。でも、育児について専門的な勉強をしてきたわけではなかったので、一度きちんと体系的に学び、正しい知識を身につけたいなと思っていたんです。また、人生100年時代を迎え、50歳からの第2のステージをどう生きるかを考えるなかで、子どもや家族、親子が、自分の人生のテーマになる気がしていました。どうせ学ぶなら国家資格を取ろうと一念発起し、通信制の短大に通い始めたのが44歳のときですね。

 

── 入学直後にコロナに罹患し、入院されるなど、アクシデントもありました。

 

つるのさん:そうなんです。入学してすぐにコロナ禍に見舞われ、授業も急きょリモートなどに切り替わりましたが、僕自身がコロナで入院することになり、単位取得が先送りになってしまいました。その後は、芸能活動が自粛になったこともあり、集中して勉強に取り組みました。生まれてこのかた、こんなに勉強したことはなかったくらい。これだけ多岐に渡る知識を習得したうえで、ようやく免許を手にし、資格に挑むことができるんだなと身を持って知り、あらためて世の中の保育士さんたちに尊敬の念が深まりましたね。

 

── 記憶力は加齢とともに衰えますが、勉強は大変ではなかったですか?

 

つるのさん:もちろん暗記などは若いころのようにはいきませんが、逆に、社会でいろんな経験を積んできているぶん、点と点がつながって線になっていく感覚があり「あのときのあれってこういうことだったのか」と理解が深まっていくのがすごくおもしろくて。要点を掴みさえすれば、「こんなふうにも応用できるな」と発想がどんどん広がっていって、実践的に学ぶことができたので、このタイミングでよかったなと。

 

── 大人になってからの学びは「答え合わせのような感じ」とも言いますよね。

 

つるのさん:まさにそうでしたね。5人の子育ての答え合わせをしている感覚で、学びながら復習しているようでした。しかも当時、いちばん下の息子が4歳くらいだったので、学んだことをリアルに実践でき、すごく助かりましたね。